“8647”の意味は?トランプ暗殺の暗号?元FBI長官ジェームズ・コミーのInstagramが波紋

2025年5月、元FBI長官ジェームズ・コミーがInstagramに投稿した一枚の写真が、アメリカ社会に大きな波紋を広げています。

海岸に並べられた貝殻で「8647」と描かれたこの写真は、トランプ大統領への暗殺を示唆するメッセージだと一部の共和党支持者や保守派メディアが主張し、瞬く間にSNS上で拡散。

米国シークレットサービス(大統領警護隊)も調査に乗り出す事態となりました。

果たして「8647」の意味とは何なのか、なぜここまで大きな論争に発展したのか、背景や各方面の反応とともに詳しく解説します。

コミーの「8647」投稿とは?数字に込められた意味

2025年5月15日、コミー元長官は自身のInstagramに「Cool shell formation on my beach walk(ビーチ散歩で見つけたクールなシェルの並び)」というコメントとともに、貝殻で「8647」と並べた写真を投稿しました。

この数字の組み合わせが問題視された理由は、アメリカのスラングにあります。

「86」はレストラン業界などで「排除する」「追い出す」「取り除く」という意味で使われる言葉で、近年では「殺す」という意味でも一部で使われているとMerriam-Webster辞典も指摘しています。

一方、「47」はトランプ氏が第47代アメリカ大統領であることを指します。

つまり、「8647」は「47を排除する=トランプ大統領を排除(暗殺)する」というメッセージだと解釈され、保守派の間で「暗殺教唆」として大きな非難を浴びました。

コミー氏は投稿後すぐに写真を削除し、「数字に暴力的な意味があるとは知らなかった。暴力には一切反対する」と声明を発表しました。

政治的背景 – コミーとトランプの因縁

この騒動の背景には、コミーとトランプ氏の長年にわたる確執があります。

コミー氏は2017年、ロシアによる米大統領選介入疑惑の捜査を指揮中にトランプ大統領(当時)から突然解任されました。

その後、コミー氏はトランプ政権の批判者として知られるようになり、両者の対立はアメリカ政治の象徴的な構図となっています。

このため、今回の「8647」投稿も単なる偶然や無意識の行動ではなく、政治的な意図があったのではないかと疑う声が保守派を中心に強まっています。

特に、過去にトランプ大統領が暗殺未遂事件に遭っていることもあり、警戒感が一層高まっています。

SNSと世論の反応 – 分断と過熱

今回の騒動はSNS上で瞬く間に拡散し、賛否両論が激しくぶつかり合っています。

X(旧Twitter)では、「コミーは大統領暗殺を呼びかけた」と非難する投稿が相次ぎ、トランプ氏の息子ドナルド・トランプJr.は「父を殺せと呼びかけている」と激しく批判。

トランプ支持者の間では「コミーを逮捕せよ」「刑務所に入れろ」といった過激な声も噴出しました。

一方で、リベラル派や一部の中立的なユーザーからは「この解釈は過剰反応」「数字の偶然に過ぎない」と冷静な分析も見られます。

コミー氏自身も「暴力を意図したものではない」と強調しており、投稿の意図や解釈を巡って世論は大きく分断されています。

SNS時代の現代社会では、こうした「数字」や「暗号」が一瞬で政治的な意味を持ち、拡大解釈や陰謀論が広がるリスクが顕著になっています。

米政府・法執行機関の対応と今後の展開

米国シークレットサービスは「大統領への脅迫の可能性がある事案は厳格に調査する」と声明を発表し、コミー氏への事情聴取も行う方針です。

国土安全保障省のノーム長官も「脅威として調査中」とSNSで明言しました。

また、現職FBI長官や議会の一部からも「コミー氏の行動は重大」「法的責任を問うべき」との声が上がっています。

一方で、現時点でコミー氏が実際に刑事責任を問われるかどうかは不透明であり、今後の捜査結果や世論の動向が注目されます。

この事件は、アメリカの政治的分断やSNS時代の情報拡散の危うさ、そして「言葉や数字の持つ意味」がいかに大きな影響を及ぼすかを改めて浮き彫りにしています。

数字や暗号が持つ現代的リスク

今回の「8647」騒動は、現代社会における「数字」や「暗号」の拡大解釈リスクを象徴しています。

SNSやインターネット上では、特定の数字や記号が瞬時に「隠されたメッセージ」として拡散され、時に現実の脅威や社会的混乱を引き起こします。

過去にも、政治家や著名人の投稿が「暗号」だと騒がれた事例は少なくありません。

特にアメリカでは、QAnon(Qアノン)など陰謀論コミュニティがSNS上で力を持ち、些細な投稿が「国家的陰謀」として拡大解釈される傾向が強まっています。

こうした現象は、言論の自由や表現の多様性と、公共の安全や社会的責任のバランスをどう取るかという、現代民主主義社会にとって重要な課題を突きつけています。

まとめ

元FBI長官コミーの「8647」シェル写真投稿は、アメリカ社会の分断とSNS時代の情報拡散の危うさを象徴する事件となりました。

数字の持つ多義性や、政治的背景、そしてSNS上での解釈の過熱が、わずか一枚の写真を国家的な論争へと発展させました。

今後、法執行機関の調査や社会の議論がどのように進展するか注目されますが、私たち一人ひとりが「情報の受け取り方」や「発信の責任」について改めて考えるきっかけとなる出来事です。

今後もこうした現象が繰り返される中で、冷静な分析と多角的な視点がますます求められるでしょう。

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