ブルージェイズはなぜ本拠地がカナダなのに米大リーグに参入できた

トロント・ブルージェイズが本拠地をカナダに置きながら米大リーグ(MLB)に参入できた理由は、MLBがアメリカ国内限定のリーグではなく、北米全体(アメリカとカナダ)を包括するプロ野球組織として設立され、構造的に国境を越えてチームを受け入れられる体制を持っているためです。

北米経済圏と文化的背景

アメリカとカナダは経済圏・放送権市場が非常に密接であり、スポーツとビジネス面で国境をまたいでも支障がありませんでした。

また、両国とも野球文化を共有しているほか、アイスホッケーなど他スポーツでも国境を超えたリーグ形成が一般的です。

MLBの拡張戦略(エクスパンション)

1970年代、MLBは新たな市場の獲得や収益拡大を目的に、リーグ拡張(エクスパンション)政策を推進していました。

その流れで1977年にトロント・ブルージェイズとシアトル・マリナーズが新規加盟。トロントは巨大な人口・経済力、魅力的なメディア市場などの条件で他都市より優位に立ち、カナダだけでなく北米全体のスポーツ市場拡大に貢献できると評価されたのです。

歴史的な前例と制度面

MLBにはかつてカナダのモントリオール・エクスポズも所属しており、カナダからの参入はとくに異例ではありませんでした。

政府・リーグ側も必要な調整を経て、カナダ球団の参入を認める制度的柔軟性がありました。

結論として、ブルージェイズのMLB参入は「カナダだから特例」ではなく、「北米一体の市場や文化、そしてリーグ拡張戦略によって実現した自然な流れ」です。

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