先日、アメリカ疾病対策センター(CDC)が発表した情報によると、デリミートに関連したリステリア菌食中毒が発生し、少なくとも2人が死亡し、24人以上が入院したそうです。
デリミートとはデリカウンター(スーパーマーケットやデパートなどの店舗内に設置されている調理済み食品の販売カウンター)で店員が注文に応じて切り分けて販売される調理済みの肉製品のことです。
この深刻な事態を受け、リステリア菌食中毒の実態と予防対策について、詳しく見ていきたいと思います。
リステリア菌の特徴
リステリア菌は、一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や12%以上の高濃度食塩環境でも増殖できる特徴を持っています。
つまり、冷蔵庫で保管されているデリミートなどの加工肉製品に付着し、増殖する可能性があるのです。
リステリア菌感染の危険性
リステリア菌感染は、高齢者、免疫抑制者、妊婦などに特に危険です。
感染すると、発熱、筋肉痛、倦怠感などの症状が現れ、重症化すると髄膜炎や敗血症を引き起こす可能性があります。
今回の事例では、感染者の年齢が32歳から94歳と幅広く、中央値は75歳と高齢者が多かったことが特徴的です。
また、妊婦1人も感染したものの、流産には至らなかったそうです。
デリミートの危険性
デリミートは、リステリア菌に汚染される可能性が高い食品の1つです。
過去にも、デリミートに関連したリステリア菌の集団食中毒が発生しており、1200トンものサンドイッチ用調理肉が回収されたこともあります。
今回の事例でも、感染者の多くがデリカウンターで切り分けられたターキー、リバーウースト、ハムなどのデリミートを食べていたことが報告されています。
予防対策
デリミートを食べる際は、加熱調理するなどして、リステリア菌の増殖を抑える必要があります。
また、高齢者や免疫抑制者、妊婦は、デリミートの摂取を控えることが重要です。
食品の安全性に十分注意を払い、リステリア菌による食中毒を予防することが大切です。
補足情報
リステリア菌は、動物の腸管内や環境中に広く分布している細菌で、食品を介して感染する食中毒菌です。
多くの食中毒菌が増殖できない低温環境でも、リステリア菌は増殖可能なため、特に注意が必要です。
まとめ
今回のデリミート関連のリステリア菌食中毒事件は、食の安全を脅かす深刻な事態でした。
高齢者や免疫抑制者、妊婦などの vulnerable な人々に特に危険な細菌であるリステリア菌について、その特徴や感染リスク、予防対策を理解することが重要です。
食品の安全性に十分注意を払い、リステリア菌による食中毒を未然に防ぐことが肝心だと思います。