小林製薬株式を大量取得したオアシス・マネジメントとは?

小林製薬株式会社の株を購入したとして注目を集めているオアシス・マネジメントについて、詳しく見ていきたいと思います。

オアシス・マネジメントは、香港に拠点を置くヘッジファンドで、2002年にセス・フィッシャー氏によって設立されました。

この投資ファンドが、なぜ小林製薬に着目し、大量の株式を取得したのでしょうか。

その狙いや投資哲学について、具体的な数字を交えながら解説していきます。

小林製薬株式の大量保有

2024年7月22日、オアシス・マネジメントは小林製薬株式の大量保有報告書を関東財務局に提出しました。

報告によると、現時点でオアシス・マネジメントは小林製薬の発行済株式の約5.2%、約400万株を保有しているということです。

オアシス・マネジメントは、小林製薬の株式を大量に取得することで、同社の経営に一定の影響力を持とうとしているようです。

オアシス・マネジメントの投資哲学

オアシス・マネジメントは、企業の内部価値を見極め、適切な株価水準を見極めることを投資の基本としています。

つまり、企業の本質的な価値が市場で適正に評価されていないと判断した場合に、積極的に投資を行うのが同社の特徴です。

具体的には、株式、債券、デリバティブなどの様々な金融商品を活用し、ポートフォリオを構築しています。

そして、企業の経営陣との対話を重視し、企業価値向上に向けた提言を行うことで、株価の適正化を目指しているのです。

小林製薬への期待

オアシス・マネジメントが小林製薬に着目した背景には、同社の成長性と株価の割安感があると考えられます。

小林製薬は、医薬品、化粧品、ヘルスケア製品などを手掛ける老舗企業です。

近年は、ビタミン製剤やサプリメントなどのヘルスケア事業が好調で、2023年3月期の連結売上高は約3,400億円、営業利益は約400億円を記録しています。

一方で、同社の株価は、過去5年間ほぼ横ばいで推移しており、PER(株価収益率)は約15倍と、同業他社と比べて割安な水準にあります。

オアシス・マネジメントは、このような小林製薬の成長性と株価の割安感に着目し、経営陣との対話を通じて企業価値の向上を目指しているのではないでしょうか。

小林製薬への影響

オアシス・マネジメントが小林製薬の大株主となったことで、同社の経営に一定の影響が出る可能性があります。

例えば、オアシス・マネジメントが経営陣に対して、M&Aの推進や事業ポートフォリオの見直し、株主還元の拡大などを提案してくる可能性があります。

また、取締役の選任や経営方針の決定にも、一定の影響力を行使してくるかもしれません。

一方で、オアシス・マネジメントは長期的な視点から小林製薬の企業価値向上を目指しているため、短期的な業績への圧力をかけるようなことはないと考えられます。

むしろ、同社の持続的な成長を後押ししていくことが期待されています。

補足情報

オアシス・マネジメントは、これまでにも「クスリのアオキ」 「ライフネット生命保険」 「相模ゴム工業株式会社」 など日本企業への投資実績があります。

https://www.buffett-code.com/shareholder/022d7d0b16607059555116daeb4d782f

また、同社は環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みにも力を入れており、投資先企業の持続可能性を重視しているのが特徴です。

まとめ

以上のように、オアシス・マネジメントは小林製薬の大株主となり、同社の経営に一定の影響力を持とうとしています。

同社の投資哲学は、企業の本質的価値に着目し、適正な株価水準を見極めることにあります。

小林製薬の成長性と株価の割安感に着目したオアシス・マネジメントは、同社の企業価値向上を目指して、経営陣との対話を重ねていくことが期待されます。

今後の小林製薬の動向にも注目が集まりそうですね。

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