鳥インフルエンザの猛威、哺乳類への感染拡大が深刻化

アメリカ全土で猛威を振るっている鳥インフルエンザの感染が、驚くべきことに哺乳類にまで広がっています。

特に、少なくとも21匹の家猫が感染しているという報告に、多くの人々が不安を感じているのではないでしょうか。

この深刻な事態について、詳しく見ていきましょう。

鳥インフルエンザの哺乳類への感染

現在、アメリカの31州で鳥インフルエンザの感染が確認されており、その中には牛、キツネ、スカンク、ピューマ、アシカなどの哺乳類も含まれています。

特に注目されているのが、少なくとも21匹の家猫の感染です。

これらの猫は野良猫、納屋の猫、ペットの猫など、さまざまな環境の猫が感染しているようです。

鳥インフルエンザは主に鳥類間で感染が広がりますが、猫などの哺乳類にも感染する可能性があります。

猫が感染する経路は、おそらく感染した鳥を食べたり、汚染された環境に接したりすることが考えられます。

人への感染リスクは低いが注意が必要

これまでに4人の人間が鳥インフルエンザに感染していますが、いずれも農場で感染したものであり、ペットの猫から人への感染は非常に稀だと考えられています。

しかし、猫の唾液、糞便、体液などを通じて感染する可能性は否定できません。

過去にも、2004年にタイ、2006年にドイツや北米で、猫や犬などの家庭動物での感染例が報告されています。

2016年にはニューヨークの獣医師が、感染した猫の世話をする際に感染し、軽い症状で回復しています。

感染予防と早期発見の重要性

鳥インフルエンザに感染した可能性がある場合は、発熱、咳、のどの痛み、呼吸困難、結膜炎、頭痛、鼻水、筋肉痛、下痢などの症状に注意を払う必要があります。

これらの症状が見られた場合は、速やかに獣医師に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

また、USDA(アメリカ農務省)は、生産者が獣医師と協力し、疾病に感染したと考えられる牛の症例を報告することを奨励しています。

これにより、早期発見と適切な対応につなげることができるでしょう。

補足情報

2024年3月には、アメリカの乳牛で高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が検出されたことが報告されています。

この事例では、感染した牛の乳汁からウイルスが検出されましたが、熱処理によって不活性化されることが確認されています。

また、アメリカで人間が鳥インフルエンザの陽性反応を示したのは3例目となりますが、いずれも酪農従事者で、症状は目の充血などの軽いものでした。

ゲノム解析の結果、哺乳類の細胞で増えやすくなる変異も見られたものの、基本的には鳥の間で広がるウイルスの特徴を維持しており、人への感染リスクは低いと考えられています。

まとめ

鳥インフルエンザの感染が哺乳類にまで広がり、特に家猫への感染が深刻な問題となっています。

人への感染リスクは低いものの、予防と早期発見が重要です。感染が疑われる場合は、速やかに獣医師に相談し、適切な対応を取ることが肝心です。

この問題について、今後の動向にも注目していく必要がありそうです。

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