テクノロジー業界の巨人、イーロン・マスク氏とアップル社の間で、AIをめぐる攻防戦が繰り広げられています。
マスク氏は、アップルがオペレーティングシステムレベルでOpenAIを統合することに強く反対し、自社での使用禁止を表明しました。
一方、アップルはOpenAIとのパートナーシップを発表し、iPhoneにChatGPTを搭載する計画を明らかにしています。
この対立の背景にある思惑と、今後の展開について考えていきましょう。
マスク氏のOpenAI訴訟
まず、マスク氏とOpenAIの対立の経緯を確認しましょう。
マスク氏は、OpenAIが当初の使命を放棄し、利益追求に傾倒したとして、2024年2月にOpenAIとCEOのSam Altman氏を提訴しました。
マスク氏は、OpenAIが「汎用人工知能(AGI)」の開発に成功し、それをマイクロソフトに供与したと主張しています。
一方、OpenAIはメールを公開して反論し、マスクらの主な動機は「グーグルによるAI支配」への懸念だったことを明らかにしました。
https://wired.jp/article/the-fear-that-inspired-elon-musk-sam-altman-openai
アップルのOpenAI統合計画
そんな中、アップルはOpenAIとのパートナーシップを発表し、iPhoneにChatGPTを搭載する計画を明らかにしました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN070PH0X00C24A6000000
アップルは、AIを「プライバシーを中心に」開発し、オンデバイス処理とクラウドコンピューティングの組み合わせを使用すると述べています。
マスク氏のApple批判
これに対し、マスク氏は猛烈な反発を示しています。
マスク氏は、「AppleがオペレーティングシステムレベルでOpenAIを統合するのは許容できないセキュリティ違反だ」と述べ、Appleデバイスの使用を禁止すると宣言しました。
さらに、「Appleは自社のAIを開発する能力がないにもかかわらず、OpenAIがプライバシーとセキュリティを保護できると信じているのは馬鹿げている」と批判しています。
マスク氏のxAI立ち上げ
一方で、マスク氏は自社のAI企業「xAI」を立ち上げ、OpenAIに対抗するべく「TruthGPT」という新しいAIツールの開発に取り組んでいます。
xAIは最近のシリーズBラウンドで60億ドルを調達し、240億ドルの評価額を得ています。
OpenAIとの訴訟の背景
マスク氏がOpenAIを提訴した背景には、OpenAIが当初の非営利目的から逸脱し、利益追求に傾倒したことへの不満があるようです。
マスク氏は、OpenAIが主導権を握れなくなったことが告訴の理由だと指摘されています。
まとめ
イーロン・マスク氏とアップル社の間で繰り広げられているAIをめぐる攻防戦は、テクノロジー業界における覇権争いの一端を示しています。
マスク氏は、OpenAIの統合に強く反対し、自社でのAppleデバイスの使用を禁止すると宣言しました。
一方、アップルはOpenAIとのパートナーシップを発表し、iPhoneにChatGPTを搭載する計画を明らかにしています。
この対立の背景には、AIをめぐる企業間の利害対立や、主導権をめぐる争いがあるようです。
今後、両者の動向に注目が集まるでしょう。AIをめぐる覇権争いは、テクノロジー業界の新たな戦場となっているのかもしれません。