世界的なシンガーソングライター、ビリー・ジョエルが2025年5月、脳疾患「正常圧水頭症(NPH)」の診断を受け、すべてのコンサートをキャンセルするという衝撃的なニュースが発表されました。
76歳という年齢にもかかわらず、精力的な活動を続けてきた彼の突然の決断は、世界中のファンや音楽業界に大きな波紋を広げています。
本記事では、ビリー・ジョエルの病状や治療、SNSでのファンの反応、そして今後の見通しまで、最新情報とともに深く掘り下げていきます。
ビリー・ジョエルの「NPH」診断とコンサートキャンセルの全貌
🎶❤️🩹🚨Billy Joel Cancels Tour After Rare Brain Disorder Diagnosis. The music legend, 76, revealed he has Normal Pressure Hydrocephalus (NPH), a condition affecting hearing, vision & balance. Doctors advised immediate physical therapy, forcing him to cancel all concerts. Fans… pic.twitter.com/MNvj9TNvpA
— GoodMorningRooster (@RoosterGM) May 23, 2025
ビリー・ジョエルは2025年5月23日、公式SNSやウェブサイトを通じて、正常圧水頭症(NPH:Normal Pressure Hydrocephalus)の診断を受けたこと、そして医師の指示によりすべてのコンサートをキャンセルすることを発表しました。
NPHは脳内やその周囲に脳脊髄液が過剰に溜まり、脳の機能に障害をもたらす珍しい疾患です。
ジョエルは「最近のコンサート活動で症状が悪化し、聴力・視力・バランス感覚に問題が生じている」と説明しています。
この発表により、2025年4月から2026年7月まで予定されていた全17公演(米国・英国を含む)がキャンセルとなりました。
チケット購入者には自動的に返金が行われることも公式に案内されています。
ジョエルは「ファンを失望させてしまい本当に申し訳ない。健康を最優先にして治療に専念する」とコメントし、復帰への意欲も示しています。
正常圧水頭症(NPH)とは?高齢者に多い脳疾患の実態
正常圧水頭症(NPH)は、主に65歳以上の高齢者に発症する稀な脳疾患です。
脳脊髄液(CSF)が頭蓋内に過剰に溜まり、脳を圧迫することで、以下のような症状が現れます。
- 歩行障害やバランス感覚の低下
- 認知機能の低下(記憶障害など)
- 排尿障害
- 視力や聴力の障害
NPHはアルツハイマー型認知症やパーキンソン病と症状が似ているため、診断が難しいことも特徴です。
しかし、適切な治療(主に脳内にシャントと呼ばれる管を埋め込んで余分な液体を排出する手術)を行えば、症状が改善するケースも多いとされています。
ビリー・ジョエルの場合も、手術とリハビリを受けており、医師の監督下で回復に努めていることが明らかになっています。
SNSとインターネット上のファンの反応
ビリー・ジョエルの突然の発表は、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどSNS上で瞬く間に拡散されました。
多くのファンが「ピアノマン」の一日も早い回復を願うメッセージや、過去のライブ体験をシェアしています。
特に目立ったのは以下のような声です。
- 「ジョエルの音楽に救われた。健康第一で、また元気な姿を見せてほしい」
- 「コンサートを楽しみにしていたけど、彼の決断を尊重する」
- 「NPHという病気を初めて知った。彼の公表で多くの人が関心を持つはず」
- 「返金対応がスムーズでありがたい」
また、医療関係者や同じ疾患に悩む人々からも、「NPHの啓発に繋がる」といった前向きな意見が寄せられています。
家族の支えと今後の展望
妻のアレクシス・ロデリック・ジョエルは、「家族として健康が最優先。素晴らしい医療スタッフに恵まれ、回復を信じている」とコメントしています。
娘たちや元妻クリスティ・ブリンクリーとの間の家族も、ジョエルの回復を見守っているとのことです。
2024年には17年ぶりの新曲「Turn the Lights Back On」をリリースし、10年以上続いたマディソン・スクエア・ガーデンでのレジデンシー公演も大盛況で幕を閉じたばかりでした。
これまで15年以上にわたり第一線で活動してきたジョエルですが、今回の決断は「健康と家族を最優先する」という強い意志の表れです。
現時点で復帰時期は未定ですが、本人・家族ともに「再びステージに立つ日を信じている」と前向きな姿勢を示しています。
音楽業界と社会への影響、そしてNPHへの関心
ビリー・ジョエルのコンサートキャンセルは、音楽業界にも大きな影響を与えています。
長年にわたりライブシーンを牽引してきた彼の不在は、ファンのみならず、共演予定だったロッド・スチュワートやスティーヴィー・ニックス、スティングらにも波及しています。
一方で、NPHという疾患への社会的関心が高まったことも事実です。
日本ではまだ認知度が低いNPHですが、今回の報道をきっかけに「高齢者の歩行障害や認知症状はNPHの可能性もある」といった啓発活動が進むことが期待されます。
また、チケットの自動返金対応や公式サイトでの詳細な説明など、アーティストと運営側の迅速かつ誠実な対応も高く評価されています。
ビリー・ジョエルのこれまでと「NPH」治療の最前線
ビリー・ジョエルは「ピアノ・マン」 「ニューヨークの想い」 「アップタウン・ガール」など数々の名曲を世に送り出し、グラミー賞5回受賞、ロックの殿堂入りも果たしています。
2024年の新曲リリースやレジデンシー公演終了など、近年も精力的に活動してきました。
一方、NPHの治療法は年々進歩しています。
早期発見と適切な手術(シャント術)により、歩行障害や認知症状が劇的に改善するケースも増えています。
ビリー・ジョエルのように公表する著名人が増えることで、今後さらに診断率や治療成績の向上が期待されます。
まとめ
ビリー・ジョエルの「正常圧水頭症(NPH)」による全コンサートキャンセルは、音楽界とファンに大きな衝撃を与えました。
しかし、本人や家族、ファンの前向きな姿勢、そして社会的な啓発効果など、単なる「公演中止」にとどまらない広がりを見せています。
健康を最優先にしつつ、再びステージに立つ日を信じて待ちましょう。
今後もビリー・ジョエルの動向やNPHに関する最新情報に注目していきたいと思います。