サム・アルトマンの「オーブ」とは?あなたの虹彩で仮想通貨をゲット?

虹彩スキャンでデジタルIDと暗号資産を手に入れる最先端プロジェクトの全貌

「あなたの目が、未来のパスポートになる」――そんなSFのような話が、ついに現実となりました。

OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏が手がける「World(旧Worldcoin)」プロジェクトが、2025年5月から米国で本格始動します。

虹彩スキャン専用デバイス「オーブ」を使い、わずか数秒で自分だけのデジタルID(World ID)を取得し、仮想通貨WLDも受け取れるこの仕組み。

世界13カ国以上で200万人以上がすでに登録済みというこの新たなデジタル社会インフラは、AI時代の「人間証明」として注目を集めています。

一方で、プライバシーや監視社会への懸念も根強く、SNSやメディアでも賛否が渦巻いています。

本記事では、Worldプロジェクトの仕組み、メリット・リスク、世間の反応、そして今後の展望まで詳しく解説します。

Worldプロジェクトとは?――虹彩スキャンが切り開く新しいデジタルID

World(旧Worldcoin)は、「誰もが唯一無二の人間であること」を証明するためのデジタルIDプラットフォームです。

その要となるのが、球体型の専用デバイス「オーブ」。

このオーブに目を向けるだけで、虹彩(目の模様)を高精度でスキャンし、個人を識別する「IrisCode(アイリスコード)」を生成します。

このIrisCodeは、個人情報とは紐付かず、ブロックチェーン上に保存されることで、なりすましや重複登録を防ぎつつ、プライバシーも守られる仕組みです。

登録は18歳以上なら誰でも無料。

専用アプリ「World App」をスマホにインストールし、オーブに表示されるQRコードを読み込んで本人認証を行います。

スキャンが完了すると、デジタルID(World ID)が発行され、仮想通貨WLDも初回特典として付与されます。

このWorld IDは、Webサービスやアプリへのログイン、本人確認、投票やガバナンス(運営方針の決定)への参加、さらには将来的な支払いなど、幅広い用途に拡張される予定です。

実際、米国では2025年末までに7,500台のオーブが主要都市に設置され、1億8,000万人以上がアクセス可能になる見込みです。

どこで、どうやって登録できる?――米国での展開と利用方法

2025年5月から、Worldプロジェクトは米国6都市(アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコ)で本格展開を開始しました。

各都市には「World Flagship Space」と呼ばれる専用拠点が設けられ、今後はカフェやコンビニなど、日常的な場所でもセルフ登録が可能となります。

登録手順は非常にシンプルです。

  1. スマホにWorld Appをダウンロード
  2. 会場のオーブ端末でQRコードをスキャンし、スマホとペアリング
  3. オーブに顔を向けて虹彩をスキャン(所要時間は数秒~30秒程度)
  4. スキャン完了後、World IDが発行され、WLDトークンが付与

登録後は、World App上でID管理や仮想通貨の送受信、提携サービスへのログインなどが可能になります。

今後はVisaと提携した「World Visaカード」の発行や、Tinderなどマッチングサービスでの年齢認証実験も予定されています。

WLDトークンは、暗号資産取引所(KuCoinやBinance)で売買可能なほか、将来的には決済やローン、予測市場などの金融サービスにも利用範囲が広がる見通しです。

プライバシーとセキュリティ――「目の情報」は本当に安全か?

虹彩スキャンという最先端技術は、唯一無二のIDを生み出す一方で、「個人情報の悪用」 「監視社会化」などの懸念も根強く指摘されています。

実際、欧州(スペイン・ドイツ)では、GDPR(一般データ保護規則)違反を理由に、Worldcoinに対して虹彩データの削除命令が出された事例もあります。

World側は、

「スキャン画像は即時削除され、個人を特定できる情報は保存しない」

「IrisCodeは暗号化され、ブロックチェーン上でも匿名化されている」

と説明しています。

また、World IDやWorld Appは「自己管理型(セルフカストディ)」であり、名前やメールアドレス、電話番号などの入力も不要。

第三者が追跡・特定できない「ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof)」という暗号技術を用いて、ユーザーのプライバシーを守る仕組みを強調しています。

さらに、オーブ自体にも物理的・ソフトウェア的なセキュリティ対策(暗号鍵の内蔵、RAMのみでの一時処理、データ転送時の暗号化、定期的な第三者監査など)が施されており、万が一のハッキングやデータ流出リスクへの備えも進められています。

それでも、SNSやコミュニティでは「本当にデータは消去されているのか」 「将来的に政府や企業に情報が渡るのでは」 「AI研究に転用されるのでは」といった不安の声が根強く、今後も各国の規制や監視が続くと見られます。

SNS・ネット上の反応――期待と懸念が交錯するリアルな声

Worldプロジェクトの拡大とともに、X(旧Twitter)やReddit、各種メディアでは賛否両論が飛び交っています。

ポジティブな反応

  • 「AI時代に人間であることを証明できる唯一の方法として期待」
  • 「銀行口座やパスポートがなくても、世界中どこでもデジタル経済に参加できるのは画期的」
  • 「仮想通貨の新しい配布モデルとして面白い」

特に新興国や銀行口座を持たない人々からは、「経済的包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)」の観点で歓迎する声が目立ちます。

ネガティブな反応

  • 「虹彩スキャンはやりすぎ。生体情報が漏れたら取り返しがつかない」
  • 「KYC(本人確認)よりもリスクが高いのでは?」
  • 「データが本当に消去されているか不透明」 「政府や大企業による監視の道具になるのでは」
  • 「AI研究やマーケティングに転用されるのでは」

RedditやXでは、「オーブのソフトウェアに脆弱性があれば、ハッカーに虹彩情報を抜かれる可能性」や、「悪意ある運営者がデータを不正利用するリスク」など、技術的・倫理的な懸念も多く指摘されています。

Worldが描く未来――グローバルIDとデジタル経済の行方

Worldプロジェクトは、単なる仮想通貨配布や本人確認の枠を超え、「グローバルなデジタルIDインフラ」の構築を目指しています。

AIの進化により、ボットやなりすましが急増する中、「人間であること」を証明できる仕組みは、今後のネット社会に不可欠となる可能性があります。

また、World IDを活用した投票ガバナンス金融サービスへのアクセス拡大、さらには国境を越えた経済活動社会参加のハードルを下げる効果も期待されています。

特に、銀行口座を持たない20億人以上の人々にとって、スマホ一つでグローバル経済に参加できるメリットは計り知れません。

一方で、個人情報保護や倫理的課題、各国の法規制との調整は今後も大きな壁となります。

AIとバイオメトリクス(生体認証)の融合がもたらす新しい社会インフラが、どこまで信頼と支持を集められるかが、今後の成否を左右するでしょう。

関連トピックと最新動向

  • Worldプロジェクトは、2023年のローンチ以来、すでに30カ国以上で展開され、2025年時点で登録者数は220万人を突破しています。
  • WLDトークンは、今後15年間で総発行枚数100億枚を予定。現在は1億4,300万枚が流通しています。
  • 欧州やアルゼンチンなど一部の国では、規制当局による調査やデータ削除命令が出されており、今後の国際的な規制動向にも注目です。
  • World Appは、ビットコインやイーサリアム、USDCなど主要な仮想通貨のウォレット機能も備えており、今後さらに多様な金融サービスとの連携が期待されています。

まとめ

サム・アルトマン氏の「World」プロジェクトは、虹彩スキャンという最先端技術で「人間証明」と「デジタル経済参加」を同時に実現しようとする、

極めて野心的な試みです。

米国での本格展開を皮切りに、グローバルなデジタルIDインフラの構築を目指す一方、プライバシーや倫理、規制の問題も避けて通れません。

今後、AI時代の「信頼」と「自由」をどう両立させるか――この問いに対する答えは、私たち一人ひとりの選択と議論にかかっています。

あなたは、オーブに目を向けますか?

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