2025年3月31日、SpaceXは歴史的なフライト「Fram2(フラムトゥー)」を成功裏に打ち上げました。
このミッションは、Crew Dragon「Resilience(レジリエンス)」に乗った4人の民間宇宙飛行士が地球の北極と南極を直接通過する初の有人宇宙飛行として注目されています。
科学実験や探査活動を通じて、宇宙飛行技術と地球の極地域に関する理解を深めるこのミッションは、商業宇宙探査の新たな章を開きました。
本記事では、Fram2ミッションの詳細、乗組員、科学的成果、そして未来への影響について掘り下げていきます。
Fram2ミッション概要 – 極軌道への挑戦
Fram2は、SpaceXが提供するCrew Dragon「Resilience」を使用し、地球の極を巡る初めての有人宇宙飛行です。
このミッションでは、90度の軌道傾斜角(polar orbit)を採用し、北極と南極を直接通過するルートが設定されました。
これまで最も高い傾斜角はソ連のVostokミッションで65度でしたが、Fram2はそれを大きく上回る挑戦となりました。
軌道傾斜角とは?
- 軌道傾斜角とは、天体の赤道面と、その天体の周りを回る物体(人工衛星など)の軌道面がなす角度のことです。
- 角度は0度から180度で表され、0度は赤道上を回る軌道、90度は極上を回る軌道、180度は赤道上を逆方向に回る軌道となります。
90度の軌道傾斜角(極軌道)とは?
- 90度の軌道傾斜角を持つ軌道は、極軌道と呼ばれます。
- 極軌道では、人工衛星は地球の南極と北極の上空を通過します。
- 地球全体を観測できるため、気象観測や地球観測衛星などに利用されます。

- 打ち上げ日時と場所: 2025年3月31日午後9時47分(東部標準時)、フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げ。
- ミッション期間: 約3〜5日間。
- 高度: 430km〜450kmの低軌道。
この新しい軌道設計により、地球の極地域を詳細に観察できるだけでなく、従来のISS(国際宇宙ステーション)ミッションとは異なる探査活動が可能になりました。
打ち上げに成功したFram2
Liftoff of Fram2 and the @framonauts! pic.twitter.com/XBL5juCnHQ
— SpaceX (@SpaceX) April 1, 2025
First views of Earth's polar regions from Dragon pic.twitter.com/3taP34zCeN
— SpaceX (@SpaceX) April 1, 2025
Fram2乗組員 – 多様性と専門性
Fram2には4人の民間宇宙飛行士が参加しており、それぞれがユニークな背景と専門知識を持っています。
This is the fourth flight for the Dragon supporting this mission, having previously flown @NASA’s Crew-1 to the @Space_Station, @Inspiration4, and @PolarisProgram’s Polaris Dawn pic.twitter.com/QNQ8B7BlT2
— SpaceX (@SpaceX) April 1, 2025
- 指揮官: チュン・ワン(Chun Wang)
中国出身で現在マルタ国籍を持つ暗号通貨起業家。彼は幼少期から極地域への好奇心を抱いており、このミッションを通じてその夢を実現しました。 - 機体指揮官: Jannicke Mikkelsen
ノルウェー出身の映画監督兼撮影監督で、高度な技術環境での撮影経験があります。彼女は打ち上げや着水など動的なフェーズでドラゴン操作を担当します。 - パイロット: Rabea Rogge
ドイツ出身でロボティクス研究者。彼女はドラゴン内でデータ収集やモニタリングを担当し、ドイツ人女性として初めて軌道に到達しました。 - ミッションスペシャリスト兼医療担当官: Eric Philips
オーストラリア出身で30回以上極地域探査経験を持つ冒険家。彼は医療対応や科学実験支援を担当します。
科学的成果 – 宇宙での新たな実験
Fram2では22件もの科学実験が行われ、その中には画期的な研究も含まれています。
- 初の宇宙X線撮影
医療診断だけでなく機器検査にも利用可能なX線装置が搭載されました。 - 運動効率化デバイス
限られた空間内で効果的に運動できる装置がテストされました。 - 微小重力下でのキノコ栽培
食料生産や薬剤開発への応用可能性を探るためキノコ栽培実験が実施されました。
これらの研究は未来の長期宇宙探査に向けた重要なデータ収集に寄与します。
<軌道到達後のチュン氏の投稿>
軌道への飛行は予想していたよりもずっとスムーズでした。
SECO の前の最後の 1 分を除けば、G フォースはほとんど感じませんでした。
正直なところ、いつもの飛行のように感じました。
突然落下するエレベーターに乗っているような感じだろうと想像していたが、その感覚は一度もなかった。
もし私が、シロクマの無重力インジケーターであるタイラーを解放していなかったら、私たちがすでに無重力状態にあることに気づかなかったかもしれない。
シートバケットにしっかりと固定されていたため、その変化はあまり感じられなかったと思う。 微小重力下での最初の数時間は、決して快適とは言えませんでした。
宇宙酔いは私たち全員を襲い、吐き気を感じ、結局数回嘔吐しました。車や海での酔いとは違った感覚でした。
iPad で読書をしても、症状は悪化しませんでした。
しかし、水をほんの少し飲むだけでも、胃を悪くして嘔吐を引き起こす可能性があります。
ラベアはアマチュア無線でベルリンと連絡を取りました。
初日は誰もキューポラを開けようとはしませんでした。
私たちは全員、乗り物酔いを抑えることに集中していました。
私たちは自分たちの打ち上げを観ながら映画を観て、予定より少し早く寝ました。
私たちは全員、本当にぐっすり眠れました。
2 日目の朝にはすっかり気分がすっきりしました。
乗り物酔いの痕跡もすっかり消えていました。
朝食をとり、X 線写真を数枚撮影し、UTC の真夜中 3 分後、南極の真上にキューポラを開けました。
乞うご期待。The ride to orbit was much smoother than I had anticipated. Apart from the final minute before SECO, I barely felt any G-forces—it honestly felt like just another flight.
— Chun (@satofishi) April 2, 2025
I had imagined it would feel like being in an elevator that suddenly drops, but that sensation never came.… pic.twitter.com/h7YMyPY9ld
着水と回収計画 – カリフォルニアへの帰還
Fram2では従来フロリダ沖だった着水地点をカリフォルニア沖に変更しました。
この変更により、ドラゴンカプセルから切り離されたトランク部分(貨物区画)が制御された再突入を行い、安全性が向上しました。
また、乗組員自身によるカプセル脱出テストも計画されており、将来的な月や火星探査への準備として重要視されています。
Fram2という名前の由来
「Fram」は20世紀初頭に北極・南極探検で活躍したノルウェー船から取られています。
この名前には未知への挑戦精神が込められており、今回のミッションでもその精神が受け継がれています。
まとめ
Fram2ミッションは商業宇宙探査における新たなマイルストーンとなりました。
地球の極地域観察や革新的な科学実験を通じて、人類の宇宙への理解と技術力向上に大きく貢献しています。
この成功は未来の長期探査や惑星移住計画への第一歩となるでしょう。
次世代宇宙探査への期待が高まる中、私たちもその進展を見守り続けましょう。