メッセージアプリ「Signal」で機密情報が流出!?戦略計画がジャーナリストに誤送信、議員らが調査要求

トランプ政権の高官らが機密性の高い軍事作戦計画を暗号化メッセージアプリ「Signal」のグループチャットで共有し、誤って著名ジャーナリストを招待するという前代未聞の事態が発生しました。

この驚くべき情報漏洩は、アメリカの政界に激震を走らせ、与野党の議員から厳しい批判と調査要求の声が上がっています。

イエメン作戦の詳細が流出

2025年3月、トランプ政権の国家安全保障チームは、イエメンのフーシ派反政府勢力に対する軍事作戦の計画をSignalのグループチャットで議論していました。

このチャットには、マイク・ウォルツ国家安全保障顧問、ピート・ヘグセス国防長官、JDヴァンス副大統領らが参加していたとされています。

しかし、驚くべきことに、このグループチャットに『アトランティック』誌の編集長ジェフリー・ゴールドバーグ氏が誤って招待されてしまいました。

ゴールドバーグ氏は、作戦開始のわずか2時間前に、攻撃目標や使用兵器、作戦の順序など、極めて機密性の高い情報にアクセスすることになったのです。

アメリカの戦争計画は通常、厳重に警備された施設で行われる。しかしトランプ政権はグループチャットを使ってフーシ派への攻撃を計画し、誤ってアトランティック誌の編集長@JeffreyGoldbergもその中に含めてしまった。

政界からの反応

この事態を受け、与野党の議員から厳しい批判の声が上がっています。

民主党のジャック・リード上院議員(ロードアイランド州選出)は、「これまでに見た中で最も悪質な作戦保安と常識の欠如」と非難。

共和党のロジャー・ウィッカー上院議員(ミシシッピ州選出)も「確かに懸念事項であり、ミスがあったように見える」とコメントしています。

チャック・シューマー上院少数党院内総務は、「我が国の軍事機密が安全でないテキストチェーンで流布されているなら、直ちに把握し、即座に阻止する必要がある」と述べ、徹底的な調査を要求しました。

トランプ政権の対応

一方、トランプ大統領は「アトランティック誌のことは知らない。あまり良い雑誌ではない」と述べ、問題の深刻さを軽視する姿勢を見せました。

ホワイトハウスのカロライン・リーヴィット報道官も「大統領は引き続き国家安全保障チームに全幅の信頼を寄せている」と述べ、擁護の姿勢を示しています。

情報セキュリティの重要性

この事件は、政府高官による情報管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。

軍事作戦のような機密性の高い情報は、政府が管理する安全な通信チャネルを通じてのみ共有されるべきです。

Signalのような暗号化メッセージアプリは便利ですが、政府の公式な通信手段としては不適切であり、ハッキングのリスクも否定できません。

今後の展開

今回の事態を受け、議会による調査が行われる可能性が高まっています。

民主党のハキーム・ジェフリーズ下院少数党院内総務は「何が起こったのか、なぜ起こったのか、そしてこの種の国家安全保障上の漏洩を今後どのように防ぐのかを理解するために、議会による調査が絶対に必要だ」と述べています。

一方で、マイク・ジョンソン下院議長(共和党)は「トップレベルの官僚が仕事をし、それも上手くやっており、精密に計画を実行している様子が示された」と擁護の姿勢を示しており、与野党で温度差が見られます。

Signalとは?

Signalは、エンドツーエンドの暗号化を採用した安全性の高いメッセージングアプリです。

ジャーナリストや政府関係者など、プライバシーを重視するユーザーに人気があります。

しかし、今回の事件で明らかになったように、公的な業務、特に機密情報の取り扱いには不適切であり、政府が管理する専用の通信システムを使用すべきです。

まとめ

トランプ政権高官によるSignalグループチャットへのジャーナリスト誤招待事件は、政府の情報管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。

軍事作戦のような機密性の高い情報の取り扱いには細心の注意が必要であり、適切なセキュリティ対策が不可欠です。

今後、議会による調査が行われる可能性が高く、政府の情報管理体制の見直しにつながる可能性もあります。

国家安全保障に関わる重要な問題として、今後の展開に注目が集まっています。

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