DOGEが明かす衝撃の調査結果、Adobe製品だけで1万ライセンス以上が未使用状態

米国政府の非効率的なソフトウェアライセンス管理が明らかになり、納税者の間で波紋が広がっています。

政府効率化局(DOGE)が実施した監査により、住宅都市開発省(HUD)をはじめとする複数の政府機関で、数万件もの未使用ソフトウェアライセンスが存在することが判明しました。

この事態は、政府の IT 資産管理の甘さを浮き彫りにするとともに、貴重な税金の無駄遣いとして批判を集めています。

驚愕の数字 – 未使用ライセンスの実態

DOGEが公表した調査結果によると、HUDにおける未使用ソフトウェアライセンスの実態は以下の通りです。

  • Adobe Acrobat: 11,020ライセンス(使用者ゼロ)
  • ServiceNow: 35,855ライセンス(使用者84名)
  • Cognos: 1,776ライセンス(使用者325名)
  • WestLaw Classic: 800ライセンス(使用者216名)
  • Java: 10,000ライセンス(使用者400名)

これらの数字は、政府機関における IT 資産管理の深刻な問題を示しています。

特に Adobe Acrobat のケースは象徴的で、1万以上のライセンスが全く使用されていないという事実は、納税者の怒りを買うに十分でしょう。

広がる問題 – 他機関でも同様の事態

HUDだけでなく、他の政府機関でも同様の問題が発覚しています。

例えば、総務庁(GSA)では従業員13,000人に対し、以下のような過剰なライセンス取得が明らかになりました。

  • WinZip: 37,000ライセンス
  • トレーニングソフトウェア: 19,000サブスクリプション
  • プロジェクト管理ソフトウェア: 7,500シート(5,500人の部門向け)
  • チケットシステム: 3種類が並行稼働

これらの事例は、政府全体で IT 資産管理が適切に行われていない可能性を示唆しています。

DOGEの調査によれば、多くの機関で従業員数を上回るソフトウェアライセンスが取得されており、その多くが遊休状態(支払済みだが未インストール)であることが判明しました。

迅速な対応 – GSAの取り組み

この問題に対し、GSAは素早い対応を見せています。

DOGEの指摘から3時間以内に、550万ドルの IT 支出削減に向けた即時対応を開始。

さらに数日後には、114,163件の未使用ソフトウェアライセンスと15の未活用/重複ソフトウェア製品を削除し、年間960万ドルの節約を実現したと報告しています。

GSAの広報担当者は、

「行政の優先事項、効率性、適切な管理の支援として、GSAは現在、IT リソースを含む契約とリソースの見直しを行っています。これにより、スタッフが米国納税者をサポートするという使命を遂行できるようにします」

と声明を発表しました。

政府全体での取り組みへ

この問題は単なる一機関の問題ではなく、政府全体で取り組むべき課題として認識されつつあります。

2024年12月には、政府のソフトウェア支出に関する新たな透明性要件を含む超党派の法案が下院を通過しました。

この法案は「ソフトウェア資産の管理と監督の強化法(SAMOSA法)」と呼ばれ、各機関に包括的なソフトウェア評価の実施とライセンス統合計画の策定を義務付けるものです。

これにより、政府全体でのソフトウェアライセンスの効率的な管理と、重複購入の削減が期待されています。

今後の展望 – 効率化と透明性の向上へ

DOGEの調査結果と、それに続く各機関の対応は、政府の IT 資産管理における大きな転換点となる可能性があります。

今後は以下のような取り組みが重要になるでしょう:

  1. 定期的な監査と報告の義務化
  2. IT 資産管理システムの導入と統一化
  3. ライセンス購入プロセスの見直しと最適化
  4. 職員のIT リテラシー向上と適切なソフトウェア利用の促進
  5. オープンソースソフトウェアの積極的な活用

これらの取り組みにより、政府の IT 支出の効率化と透明性の向上が期待されます。

納税者の信頼を回復し、限られた資源を最大限に活用するためにも、継続的な改善と監視が不可欠です。

イーロン・マスクのコメント

この問題について、テスラCEOのエロン・マスクも言及しています。

マスクはDOGEの投稿にコメントし、

「政府のあらゆる部門で、大量の未使用ソフトウェアライセンスが存在しています。あなたの税金が無駄遣いされているのです」

と述べました。

影響力のある起業家であるマスクのこの発言は、この問題に対する世間の関心をさらに高める可能性があります。

まとめ

政府の IT 資産管理における深刻な問題が明らかになりました。

数万件に及ぶ未使用ソフトウェアライセンスの存在は、納税者の税金の無駄遣いとして批判を集めています。

しかし、GSAをはじめとする各機関の迅速な対応や、新たな法案の提出など、問題解決に向けた動きも始まっています。

今後は、政府全体での効率的な IT 資産管理と透明性の向上が求められます。

納税者の皆さんも、この問題に関心を持ち、政府の取り組みを注視していくことが重要です。

効率的で透明性の高い政府運営は、私たち全員の利益につながるのです。

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