イーロン・マスクの”ナチス式敬礼”が物議を醸す – トランプ大統領就任式でのジェスチャーが波紋を呼ぶ

2025年1月20日、ドナルド・トランプ大統領の就任式後の祝賀集会で、イーロン・マスクが行った手のジェスチャーが大きな話題を呼んでいます。

テスラやSpaceX、そしてXの最高経営責任者であるマスク氏は、ワシントンD.C.のキャピタル・ワン・アリーナで行われた集会で、「人類文明の分岐点」と称したトランプ氏の勝利に感謝を述べる中で、問題のジェスチャーを2回にわたって行いました。

マスク氏の問題のジェスチャーとは

マスク氏は演説中、右手を胸に当てた後、腕を上方に伸ばし、手のひらを下に向けるというジェスチャーを行いました。

このモーションは、アドルフ・ヒトラーが流行らせた敬礼や、ファシスト式敬礼とも呼ばれるローマ式敬礼に酷似していると指摘されています。

マスク氏は「ありがとう、私の心はみなさんに向かっています」と述べながらこのジェスチャーを行いましたが、その意図や真意については明らかにされていません。

ソーシャルメディアでの反響

このジェスチャーは、マスク氏が所有するソーシャルメディアプラットフォームXを含む様々なプラットフォームで大きな反響を呼びました。

多くのユーザーがナチス式敬礼との類似性を指摘し、批判的なコメントを投稿しています。

一方で、マスク氏を擁護する声も上がっています。

自閉症スペクトラム障害の一種であるアスペルガー症候群を公表しているマスク氏の特性を考慮すべきだという意見や、単なる興奮した表現であるとする解釈も見られます。

マスク氏の過去の言動と今回の騒動

今回の騒動は、マスク氏の過去の言動と合わせて考えると、より複雑な様相を呈しています。

マスク氏は昨年、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を支持するなど、極右政治との関わりが指摘されてきました。

また、2024年10月にはドイツの雑誌「シュピーゲル」がマスク氏をヒトラーに例える記事を掲載し、マスク氏がナチスの比喩を用いて反論するなど、ナチズムに関連する論争に巻き込まれてきた経緯があります。

社会的影響力と責任

世界有数のソーシャルメディアプラットフォームの所有者であり、複数の革新的企業のCEOでもあるマスク氏の言動は、大きな社会的影響力を持ちます。

今回のジェスチャー騒動は、そうした影響力の大きさと、それに伴う責任の重さを改めて浮き彫りにしたと言えるでしょう。

ナチス式敬礼の法的扱い

ナチス式敬礼は、その歴史的背景から、ドイツを含むヨーロッパの一部の国では違法とされています。

このことは、今回のマスク氏のジェスチャーが国際的な論争を引き起こす可能性を示唆しています。

まとめ

イーロン・マスク氏のジェスチャー騒動は、単なる偶然の所作なのか、それとも意図的なメッセージだったのか、現時点では判断が難しい状況です。

しかし、この出来事は、社会的影響力の大きな人物の言動が持つ重みと、歴史的に敏感な象徴の扱いの難しさを改めて浮き彫りにしました。

今後、マスク氏自身による説明や、さらなる議論の展開が注目されます。

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