2025年1月20日、ドナルド・トランプが再び米国大統領に就任する。
彼の勝利宣言から2ヶ月余り、トランプ次期大統領は就任初日に実行する11の公約を掲げ、支持者の期待を高めている。
これらの公約は、移民政策から経済、外交、社会問題まで多岐にわたり、アメリカ社会に大きな変革をもたらす可能性がある。
しかし、その実現可能性や影響については疑問の声も上がっている。
本記事では、トランプ氏の公約を詳細に分析し、その意味と課題を探る。
移民政策 – 厳格化への回帰
トランプ次期大統領の公約の中で最も注目を集めているのが、移民政策の大幅な転換だ。
就任初日から「アメリカ史上最大の強制送還プログラム」を開始すると宣言している。
これは、推定1100万人の非正規移民のうち、犯罪歴のある約50万人を対象とするものだ。
さらに、出生地主義による市民権の廃止も視野に入れている。これは合衆国憲法修正第14条に基づく権利であり、その変更には大きな法的障壁が予想される。
また、バイデン政権下で実施された開放的な国境政策の終了も約束している。
これらの政策は、トランプ氏の支持基盤である保守層から強い支持を得ているが、人権団体や移民コミュニティからは強い反発が予想される。
また、大規模な強制送還の実施には莫大なコストと人員が必要となり、その実現可能性には疑問が残る。
経済政策 – 保護主義の強化
経済面では、メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを公約している。
これは、トランプ氏の「アメリカ・ファースト」政策の象徴的な施策だ。
しかし、経済学者からは、この政策が消費者物価の上昇を招き、アメリカ経済に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。
また、電気自動車(EV)の「義務化」撤回や、石油掘削の大幅な増加(「drill, drill, drill」)も公約に含まれている。
これらは、バイデン政権下で進められてきた環境政策からの大きな転換を意味する。
自動車産業を「アメリカ製」にするという公約も注目を集めている。
これは、グローバル化が進んだ自動車産業にとって大きな挑戦となるだろう。
外交政策 – ウクライナ戦争終結への野心
外交面では、就任から24時間以内にウクライナ戦争を終結させるという大胆な公約を掲げている。
トランプ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領との良好な関係を強調し、自身の交渉力に自信を示している。
しかし、複雑な国際情勢や両国の利害対立を考えると、この公約の実現は極めて困難だと多くの専門家は指摘している。
また、この姿勢がNATOなど同盟国との関係にどのような影響を与えるかも注目される。
社会政策 – 保守的価値観の強調
社会政策面では、トランスジェンダーの権利に関する制限が目立つ。
女子スポーツへのトランスジェンダー女性の参加制限や、性別適合医療の実践終了などを公約している。
これらの政策は、保守層からの支持を得る一方で、LGBTQ+コミュニティや人権団体からの強い反発を招くことが予想される。
また、これらの政策の合憲性についても議論が起こる可能性が高い。
民主主義への影響 – 1月6日事件被告人の恩赦
トランプ氏は、2021年1月6日の米国議事堂襲撃事件の被告人を恩赦すると約束している。
これは、トランプ支持者からは歓迎される一方で、民主主義の根幹を揺るがす行為だとの批判も強い。
1580人以上が起訴され、1270人以上が有罪となっている中、この恩赦がどの範囲まで及ぶのか、また法治主義にどのような影響を与えるのかが注目される。
トランプ氏の就任初日の行動
トランプ氏の前回の大統領就任時、初日に署名した大統領令はオバマケア(医療保険制度改革法)に関する1件のみだった。
今回、11もの大きな公約を掲げていることから、就任初日から大きな政策転換が行われる可能性が高い。
しかし、これらの公約の多くは議会の承認や法的手続きが必要であり、実際にどれだけ実現できるかは不透明だ。
まとめ
トランプ次期大統領の11の公約は、アメリカ社会に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。移民政策の厳格化、保護主義的な経済政策、大胆な外交姿勢、保守的な社会政策など、その影響は多岐にわたる。しかし、これらの公約の実現には多くの障壁が存在し、その実行過程では激しい政治的対立が予想される。アメリカ社会が今後どのように変化していくのか、世界中が注目している。