急成長中のSNS「Bluesky」とは? Xからの移行者が急増、1日で100万人増加

近頃、SNS業界で注目を集めているのが「Bluesky(ブルースカイ)」です。

https://bsky.app

Xの代替プラットフォームとして急速に成長し、1日あたり約100万人もの新規ユーザーを獲得しています。

2024年11月時点で1670万人以上のユーザーを抱えるBlueskyとは一体どのようなサービスなのでしょうか。

その特徴や急成長の背景について詳しく見ていきましょう。

Blueskyとは

Blueskyは、「あるべき姿のソーシャルメディア」を標榜する新興SNSです。

見た目はXに似ていますが、その根幹は大きく異なります。

Xに似た使い感

Blueskyの基本的な機能はXと類似しています。

256文字以内の短文投稿、画像や動画の添付、いいね、リポスト(Xでいうリツイート)、返信などが可能です。

また、ダイレクトメッセージやリスト作成機能も備えています3

分散型システムの採用

Blueskyの最大の特徴は、分散型のシステムを採用していることです。

これは、ユーザーが自分のデータを会社以外のサーバーでホストできることを意味します。

分散型システムとは、データやサービスが1つの中央サーバーではなく、複数のサーバーに分散して保存・提供される仕組みのことです。

これにより、特定の企業や個人による独占的な管理を防ぎ、ユーザーの自由度を高めることができます。

カスタマイズ可能なフィード

Blueskyでは、ユーザーが自分好みのフィードをカスタマイズできます。

「カスタムフィード」と呼ばれるこの機能により、ユーザーは複数の異なるアルゴリズムを購読し、見たい投稿を効率的に表示させることができます。

例えば、「科学」 「ニュース」 「アート」といったトピック別のフィードや、「猫の写真」のような特定のテーマに特化したフィードなど、多様なオプションが用意されています。

これにより、ユーザーは自分の興味関心に合わせた情報を効率的に収集できるのです。

Blueskyの急成長の背景

Xからの移行者の増加

Blueskyの急成長の大きな要因の1つは、Xからの移行者の増加です。

特に2024年11月のアメリカ大統領選挙におけるドナルド・トランプ氏の勝利後、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏がトランプ氏を支持していたことから、政治的な理由でXを離れる人々が増加しました。

セレブリティの参加

多くの著名人がBlueskyに参加し、Xの利用を制限または完全に止めることを表明しています。

例えば、ポップシンガーのリゾや、コメディアンのグレッグ・デイビス、俳優のベン・スティラー、ジェイミー・リー・カーティスなどが挙げられます。

こうしたセレブリティの参加は、一般ユーザーの関心を引き、さらなる成長を促進する要因となっています。

ユーザーフレンドリーな機能

Blueskyは、新規ユーザーが直面する「コールドスタート問題」(誰をフォローすればいいかわからない問題)に対して、ユニークなアプローチを取っています。

「スターターパック」と呼ばれる機能を導入し、興味深いアカウントのリストを誰でも作成・共有できるようにしました。

これにより、新規ユーザーは簡単に興味のあるアカウントを見つけ、すぐにコミュニティに参加できるようになっています。

Blueskyの課題と今後の展望

収益モデルの確立

Blueskyの急成長に伴い、最大の課題となっているのが収益モデルの確立です。

現在、Blueskyは投資家やベンチャーキャピタルからの資金で運営されていますが、長期的には安定した収益源が必要です。

Blueskyは広告収入を避けたいとしていますが、代替案としてカスタムドメイン名の有料提供などを検討しています。

しかし、これだけで十分な収益を上げられるかは不透明です。

私見では、Blueskyが長期的に存続するためには、ユーザー体験を損なわない形での収益化が不可欠だと考えます。

例えば、プレミアム機能の提供や、企業向けの分析ツールの販売など、多角的なアプローチが必要になるでしょう。

スケーラビリティの確保

急激なユーザー増加に伴い、サービスの安定性が課題となっています。

11月には新規ユーザーの急増により、一時的なサービス停止が発生しました。

分散型システムを採用しているBlueskyですが、急激な成長に対応できるインフラ整備が急務です。

技術的な課題を克服し、安定したサービス提供を実現できるかが、今後の成長の鍵を握ると言えるでしょう。

コミュニティガイドラインの整備

Blueskyは、ユーザーの自由度を重視していますが、同時にプラットフォームの健全性を維持する必要があります。

現在のところ、成人向けコンテンツは許可されていますが、ユーザーが閲覧レベルを設定できるようになっています。

しかし、今後ユーザー数が増えるにつれ、ヘイトスピーチやフェイクニュースなどの問題に直面する可能性が高くなります。

これらの課題に対して、ユーザーの自由を尊重しつつ、どのようにコミュニティを健全に保つかが重要な課題となるでしょう。

Blueskyの歴史と運営体制

Blueskyは2019年に、当時のTwitter(現X)CEOであったジャック・ドーシーによって構想されました。

当初は、Twitterが採用する可能性のある分散型ソーシャルメディアの標準を開発するプロジェクトとして始まりました。

しかし、イーロン・マスク氏によるTwitter買収後、Blueskyは完全に独立した組織となりました。

現在は、CEOのジェイ・グラバー氏を中心に、米国の公益法人として運営されています。

興味深いことに、ジャック・ドーシー氏は2024年5月にBlueskyの取締役会を退任し、9月には自身のアカウントも削除しています。

これは、Blueskyが完全に独立した存在として成長していることを示唆しています。

まとめ

Blueskyは、分散型システムとユーザー中心の設計思想を持つ新興SNSとして急速に成長しています。

Xからの移行者やセレブリティの参加により、短期間で1670万人以上のユーザーを獲得しました。

ユーザーフレンドリーな機能や自由度の高いカスタマイズオプションは、多くの人々の支持を集めています。

しかし、収益モデルの確立やスケーラビリティの確保、コミュニティガイドラインの整備など、課題も山積しています。

Blueskyが今後、これらの課題を克服し、Xの真の代替プラットフォームとして成長できるかどうかは、非常に興味深い展開となるでしょう。

ソーシャルメディアの未来を占う上で、Blueskyの動向は要注目です。

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