SpaceXのスターシップ(Starship)が4回目の試験飛行に成功!月着陸に向けて大きな前進

SpaceX(スペースX)の次世代宇宙船「スターシップ(Starship)」が、4回目の無人試験飛行に成功しました。

このスターシップは、2026年までにNASAの宇宙飛行士をムーンに送り込むことを目指す「Artemisプログラム」の中心的な役割を担っています。

今回の成功は、スターシップの開発が着実に進んでいることを示す重要なマイルストーンとなりました。

スターシップの開発の歩み

SpaceXは2023年からテキサス州のメキシコ湾沿いにある自社の射場「スターベース」でStarship/Super Heavyの飛行試験を行っています。

これまでに3回の試験飛行を行い、徐々に飛行性能を高めてきました。

第1回試験飛行(2022年7月): Super Heavyブースターの離陸に成功したものの、Shipの着陸に失敗しました。

第2回試験飛行(2022年11月): Shipの分離に成功したものの、着陸時に爆発事故が起きました。

第3回試験飛行(2023年3月): Super Heavyブースターの着陸バーンに一部失敗し、制御不能な状態で海に落下しました。一方、Shipは大気圏再突入を経て、海に軟着水することに成功しました。

このように、Starshipの開発は着実に進んでおり、今回の第4回試験飛行では、さらなる進化を遂げました。

Starship第4回試験飛行の成果

2024年6月6日、SpaceXはついに4回目の無人試験飛行(FT4)を成功させました。主な成果は以下の通りです。

Super Heavyブースターの離陸と軟着水

  • Super Heavyブースターは、32基の強力なRaptorエンジンを使って離陸し、世界最強の打ち上げロケットとしての性能を発揮しました。
  • 離陸後、Super Heavyは制御された状態で海に軟着水することに成功しました。前回の試験飛行では着陸バーンが失敗していましたが、今回はこの課題を克服しました。

スターシップの軌道到達と軟着水

  • スターシップは6基のRaptorエンジンを使って軌道高度に到達しました。
  • 大気圏再突入を経て、インド洋上で軟着水に成功しました。前回の試験飛行ではスターシップが途中で破壊されていましたが、今回はこの課題も克服できました。
  • スターシップの機体表面は大気圏再突入の熱で赤く発光し、一部の制御翼が損傷しましたが、全体としては目標を達成しました。

SpaceXのイーロン・マスク氏は「多くのタイルが失われ、フラップも損傷したが、スターシップは無事に海に軟着水できた」と喜びの声を上げています。

<フラップが破損する様子>

NASAのビル・ネルソン長官も、この成功が「アルテミスムーンプログラムへの一歩前進」であると評価しています。

スターシップの今後の展開

スターシップは、アルテミス3号ミッションの有人月着陸船として使用される予定です。

今回の試験飛行は、その実現に向けた重要なマイルストーンとなりました。

今後の試験飛行では、以下のような機能が追加されていく予定です。

  • 軌道投入
  • ペイロード投下
  • 着陸パッドへの精密着陸

また、SpaceXとFAAは、今後の飛行試験の規制プロセスを簡素化する合意に達しています。

これにより、スターシップの開発スピードがさらに加速することが期待されます。

スターシップの多様な用途

スターシップは、NASAの月探査ミッションだけでなく、さまざまな用途が期待されています。

Starlink衛星の打ち上げ

スターシップは、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」の衛星打ち上げにも使われる予定です。

スターシップの大型化により、一度に大量の衛星を打ち上げることができるようになります。

地球間旅行

スターシップは、地球上の任意の地点間を短時間で移動できる「点対点輸送」にも活用されることが期待されています。

例えば、ニューヨークからソウルまでわずか1時間で移動できるようになる可能性があります。

火星探査

より遠い将来には、スターシップを使って火星探査ミッションも実現できるかもしれません。

スターシップの大型化と再利用性により、火星への物資輸送が格段に容易になります。

まとめ

SpaceXのスターシップは、着実に開発が進んでおり、2026年のアルテミス3号ムーン着陸ミッションに向けて大きな前進を遂げました。

今回の4回目の試験飛行の成功は、スターシップの実用化に向けた重要なマイルストーンとなりました。

今後も、スターシップの飛行性能の向上や、さまざまな用途への展開が期待されます。

SpaceXの技術革新の速さに、私たちは大いに期待を寄せていきたいと思います。

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