MLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏は、ロボット球審の2025年導入は難しいと発表しました。その理由は、まだ技術的な課題が残っているためです。
マイナーリーグでの実験も当初の予定通りには進んでいないそうで、マンフレッド氏は「2025年の導入は、ますます難しくなってきている」と述べています。
現在、MLBでは2019年からマイナーリーグでの実験を行っており、今年のトリプルAリーグでは、各シリーズの最初の3試合はロボット球審、最後の3試合は人間の球審とチャレンジシステムを併用する形で導入されています。
選手からの懸念も
一方で、MLBは選手からの意見も聞いており、ロボット球審の全面導入には慎重な姿勢を示しています。
選手の中には、捕手のフレーミング技術が重要な「アート」の一部だと考えており、その価値が失われることを懸念する声があるそうです。
そのため、MLBはまずはチャレンジシステムの導入を検討する方向で、ロボット球審の全面導入は見送る可能性が高くなっています。
他のスポーツでの動き
一方で、テニスのATPは2025年からライン審判を廃止し、完全な自動判定システムに移行すると発表しています。
このように、スポーツ界では徐々にAIやロボット技術の導入が進んでいますが、MLBのように選手の意見を慎重に検討する姿勢も重要だと言えるでしょう。
今後の展開に注目
MLBは2023年にはピッチクロックの導入など、ルール変更にも慎重に取り組んでおり、ロボット球審の導入についても、十分な検討期間を設けるとしています。
今後、選手やファンの反応を見ながら、段階的な導入を目指すのか、あるいは見送るのか、MLBの動向に注目が集まっています。
ロボット球審導入をめぐっては、技術的な課題や、スポーツの本質的な価値観など、様々な要素を総合的に検討する必要があるようですね。