先日、大学バスケットボールの超新星ケイトリン・クラークが、WNBA(Women’s National Basketball Association)のドラフト1位指名を受け、インディアナ・フィーバーと契約を結びました。
しかし、クラークの4年間の総額契約は338,056ドル(約5200万円)にすぎず、昨年のNBAドラフト1位指名選手の4年契約5500万ドル(約85億円)のと比べると、その格差の大きさに驚かされます。
この男女格差について多くのメディアが驚きを持って伝えています。
https://www.wsj.com/sports/basketball/caitlin-clark-salary-wnba-indiana-fever-9881ecdd
ケイトリン・クラークの契約内容と他選手との比較
クラークは、WNBA 2024年ドラフトの1位指名選手として、インディアナ・フィーバーと4年契約を結びました。
ケイトリン・クラークの年俸は?
その内訳は、1年目76,535ドル(約1180万円)、2年目78,066ドル(約1200万円)、3年目85,873(約1320万円)ドル、そして4年目のオプション年が97,582ドル(約1500万円)となっています。
同ドラフト順位の他の選手、スタンフォードのCameron Brink(ロサンゼルス・スパークス)、サウスカロライナのKamilla Cardoso(シカゴ・スカイ)、テネシーのRickea Jackson(ロサンゼルス・スパークス)も、クラークと同じ給与水準の契約を結んでいます。
一方、昨年のNBAドラフト1位指名選手であるビクター・ウェンバニャマ(サンアントニオ・スパーズ)は、4年総額5500万ドルの大型契約を獲得しています。つまり、クラークの4年間の総額が4年で338,056ドルなのに対し、ウェンバニャマは1年目だけで1210万ドル(約18億7000万円)を手にしたのです。
批判の声
この極端な給与格差に対し、視聴者やスポーツ関係者から強い批判の声が上がっています。
NBCの「TODAY」のホスト、ホダ・コトブは「これはおかしい」と憤りを示しました。「彼女のチームの試合は、ワールドシリーズやNBAの視聴者数を上回っているのに」と、クラークの活躍に見合った待遇ではないと指摘しています。
同番組のホスト、ジェナ・ブッシュ・ヘイガーも「格差があまりにも大きい。私たちは平等な待遇を求めているのに、全く近づいていない」と嘆いています。
NFL(アメリカンフットボール)のピッツバーグ・スティーラーズのクォーターバック、ラッセル・ウィルソンも「これらの女性たちはもっと稼ぐ価値がある」とInstagramで投稿し、Clarkの待遇に疑問を呈しています。
ジャーナリストのリサ・リングも「ステフィン・カリーの1試合の収入がClarkの4年分の給与を上回るなんて、あまりにも酷い」と、女性アスリートの低給与に憤りを示しています。
SNSでのファンの反応
米国で平均価格の住宅を購入するのに必要な年間収入は114,627ドルである。 ケイトリン・クラークは新人契約では家を買うことができない
ケイトリン・クラークの給料が気になる場合は、次の選択肢があります。 •WNBAの試合を観戦する •テレビでWNBAの試合を観戦する •グッズを購入する •季節ごとにステップ1、2、3を繰り返します これらの手順をいずれも実行しない場合は、問題にはなりません。
彼女には「男性のカウンターパート」はいない。彼女はNBAではなくWNBAにいる。RT—ケイトリン・クラークのWNBAでの給与と男性のカウンターパートの給与の差が怒りを呼ぶ
一体なぜ俺の給料はケイトリン・クラークの給料より高いんだ?
Xより引用
背景にある課題
女子バスケットボールの給与格差は、長年の課題です。WNBAの歴代スター、リサ・レスリーも「女性選手の給与を上げることが重要だ」と指摘しています。「1人のNBA選手の年俸が、WNBAの全選手の給与を賄えるほど差がある。これは本当におかしい」と、レスリーは嘆いています。
WNBAは、女性アスリートの待遇改善に取り組んでいますが、リーグの収支状況から簡単には解決できない問題だと指摘されています。視聴者数の向上や、スポンサー収入の増加など、様々な課題に取り組む必要があるのが現状です。
一方で、NBAと比較することは「別の形の女性蔑視」と主張する記者も
The Atlanticの記者ジェメル・ヒル氏は、WNBAの給与に関する会話に不快感を示し、WNBA選手の給与をNBAと比較することは「別の形の女性蔑視」だと述べてます。
ヒル氏は、長年WNBA選手たちが高給を求めてきたにもかかわらず、多くの人々がそれを無視してきたと指摘しています。WNBA とNBAを単純に比較するのは適切ではなく、それは別の形の女性蔑視だと述べているのです。
「NBAは、何年もの間、WNBAの選手たちはより多くのお金を求めて戦ってきた。NBAには50年以上の投資、メディア報道などがあった。27年のWNBAは現在のNBAにはなれない。だから比較するのはやめよう。”
https://www.foxnews.com/sports/columnist-rips-conversation-around-wnba-salaries-another-form-misogyny
ヒル氏は、WNBA選手の給与を批判することは別の形の女性蔑視であり、彼女たちは長年アメリカでプロとして競技することを夢見てきたと主張しています。代わりに、WNBA商品を購入し、試合に足を運び、テレビで視聴することが重要だと述べています。
まとめ
女性スポーツ選手たちの活躍は目覚ましいにもかかわらず、依然として男女間の大きな給与格差が存在しています。
この問題の解決には、リーグ経営の改善や、視聴者の関心を高めていくなど、様々な取り組みが必要不可欠です。ケイトリン・クラークの活躍を心から応援するとともに、女性スポーツの未来に向けて、私たち一人一人ができることから始めていきたいと思います。