近年、映画館で作品の“没入感”を高める新しい演出が話題を集めています。
その代表格が「シートジャックシアター」――座席のひとつひとつを装飾し、劇場全体を映画世界に染め上げる特別企画です。
2024年には『鬼滅の刃』の最新作で導入され、ファン800席分が一斉にオリジナルカバーで彩られるなど、“一体感”と“特別感”からSNSでも大きな注目を浴びました。
“映画館=映画を見るだけの場所”から、“作品世界を五感で体験する場”へと進化しつつある今、その背景とこれからをじっくり掘り下げてみましょう。
「シートジャックシアター」とは?
―映画館がまるごとイベント会場に
「シートジャック」とは、イベント開催時に劇場の全座席にキャラクターや作品のイラスト・ロゴなどがデザインされた特製座席カバーをかけ、通常の映画体験を超えた没入感を演出する企画です。
たとえば2024年の『鬼滅の刃』では、800もある席すべてに主要キャラクター12体が描かれた限定デザインが設置されました。
この企画のポイントは――
- 劇場全体の雰囲気の“ジャック”:通常の内装が一変し、椅子もまるごと物語世界のパーツに早変わり。
- フォトスポット化:満席の劇場が、まるで美術館やテーマパークのような特別な空間になる。
- 限定性:カバーは回ごとのデザイン違いが多く、ファンには“イベント限定の記念”という大きな付加価値があります。
- 追加料金:多くの劇場で通常料金+100円程度で楽しめ、コレクション性を感じさせます。
2025年・鬼滅の刃「無限城編 第一章」“シートジャックシアター”の最新動向
全国33館で大展開! 史上最大規模のシートジャック
2025年7月、劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来の公開を記念し、全国33館で“シートジャックシアター”が期間限定で開催されています。今回は、これまでのイベントを大きく上回る規模と演出で、ファンの間で大きな話題になっています。
主な実施概要
- 実施劇場:全国33館(TOHO系を中心に、地方主要館も広くカバー)
- 期間:2025年7月18日(金)~8月7日(木)まで(劇場により前後する場合あり)
- 追加料金:通常鑑賞料金+100円
- シートデザイン:鬼殺隊士12名のうちいずれか1名が座席カバーにプリントされ、全席ランダム配置
- 限定演出:竈門炭治郎によるウェルカムアナウンス、等身大スタンディ設置等の特典あり
史上最大の“没入型シアター”へ
今回は前例の約6館から一気に33館へと拡大し、過去最大級の来場者数が見込まれています。
日本有数の大劇場では1スクリーンにつき最大800席ものカバーが一斉に装着され、期間中のべ10万人以上がこの“非日常体験”を楽しむ見込みです。
また、「推しキャラの座席に当たるか」「友人同士で全キャラ制覇を目指す」など、コレクション感覚やファンダム体験もさらに進化。
2025年シートジャックならではの演出・ポイント
- ウェルカムアナウンス: 開場時、主人公・竈門炭治郎による録り下ろし音声メッセージで来場者を迎える限定演出。
- グッズ連携: 会場限定デザインのパンフレットやグッズ販売も充実し、イベント感が倍増。
- 座席ランダム化: 全12パターンの座席がランダム配置されるため、どのキャラに当たるかは当日までお楽しみ。
チケット購入・注意点
- チケットは劇場HP・各種オンライン予約サイトまたは窓口で発売。
- 「シートジャック」という表記のない回では体験できないため要注意。
- 前売り段階で即完売となる劇場も多く、発売情報の事前チェックが必須です。
https://www.tohotheater.jp/event/kimetsumugenjyohen1-sheetjack.html
なぜシートジャックは人を惹きつけるのか?
―劇場で“作品世界”に包まれる非日常の魅力
近年は「体験型消費」や「限定品コレクション」というキーワードが若い世代を中心に支持されています。
シートジャックの人気も、“普段の映画では味わえない満足感”と“その日・その場だけの体験”が掛け合わさることで生まれているのです。
さらに映画館側にとっては――
- コストパフォーマンス:1席当たり数百円で豪華な演出を実現
- 収益性アップ:追加料金や物販への波及効果が期待できる
- SNS拡散効果:体験共有型の波に乗りやすく、「#シートジャック」タグのInstagram投稿数は1ヶ月で1万件超という劇場も
エンタメの“リアル体験志向”が加速する今、シートジャックは劇場ビジネスの新たな成長軸としても注目されています。
シートジャックの課題と、これから
―多様化する“体験”、そして“持ち帰りグッズ化”へ
もちろん、シートジャックにも議論はあります。
「使い捨てが前提?」と環境面からの懸念、「追加料金は妥当か」といった疑問も。
一方で、素材の再利用や“1回限りの持ち帰りグッズ化”など、運営側も持続可能なシステム開発を進める様子が見られます。
また、今後は座席だけでなく、ロビーや階段など、劇場全体を“空間ジャック”するような進化系企画も登場すると予想されます。
「観る」だけでなく「体験する」ことがエンタメの主流になる中、日本独自の“シートジャック”文化は海外への波及も期待できる。
今はまだ限定的ですが、“ここでしか体験できない価値”として、さらに広がるのではないでしょうか。
シートジャック体験をもっと楽しむコツ
―ファン同士の交流・記念撮影・SNS投稿
- 開催劇場と期間を事前チェック
公式サイトや劇場の告知を必見。早期完売も多いため“ファンは情報戦”です。 - SNSで最新情報をキャッチ
InstagramやX(旧Twitter)で「#シートジャック」を検索、自分に合うデザインを見つけましょう。 - 座席選びも戦略的に
通常はランダムですが、人気キャラに合わせた指定席販売も拡大傾向。事前リサーチが肝心です。
まとめ
「シートジャックシアター」は、映画と観客をつなぐ新しい“体験型エンターテインメント”の象徴です。
物語世界を全身で感じられ、同じ空間で偶然の出会いも楽しめる――そんな特別な体験をぜひ一度味わってみてください。
今後も多彩な作品での展開が期待され、新しい映画鑑賞スタイルとして日本発のカルチャーになりそうです。