巨大な「プラネットキラー」小惑星が今週地球に接近 – そして生中継で観察できる

小惑星についてのニュースです。

直径1.1~2.4マイル(1.7~3.9キロメートル)もある巨大な「プラネットキラー(地球破壊者)」小惑星が、地球に接近するというのです。

この小惑星は、過去100年以上で最も地球に接近する大きな小惑星の1つだと言われています。

果たしてこの小惑星の正体とは一体何なのでしょうか。

小惑星2011 UL21の基本情報

この巨大な小惑星の正式名称は「2011 UL21」です。2011 UL21は、地球の軌道付近を3年周期で回る近地球小惑星*1です。

過去の観測から、この小惑星の直径は1.7~3.9キロメートルと推定されています。

これは既知の近地球小惑星の99%よりも大きいサイズです。

*1 近地球小惑星:地球の軌道付近を周回する小惑星のこと。地球に接近する可能性がある。

小惑星2011 UL21の接近と観測

2011 UL21は、6月27日に地球から約660万キロメートルの距離まで接近する予定です。

これは過去100年間で最も近い距離です。

ただし、この距離は地球の直径の約17倍もあり、地球に衝突する可能性は非常に低いとされています。

この接近を記念して、バーチャル望遠鏡プロジェクト(VTP)が、イタリアのベラトリクス天文台から6月27日午後4時(日本時間6月28日午前5時)から生中継を行います。

また、6月28日と29日には、望遠鏡を使えば小惑星を肉眼で観察できる可能性があります。

最大光度は、太陽系で最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリ*2と同程度になる見込みです。

*2 プロキシマ・ケンタウリ:太陽系で最も近い恒星。地球から4.2光年の距離にある赤色矮星。

「地球破壊者」小惑星の脅威

2011 UL21は、「プラネットキラー」と呼ばれる理由があります。

この小惑星は、直径が1.1~2.4マイル(1.7~3.9キロメートル)と非常に大きいため、仮に地球に衝突すれば、大陸規模の被害を引き起こし、大気中に大量の破片を放出して気候変動を引き起こす可能性があるからです。

過去の大規模な小惑星衝突事例を見ると、ヴレデフォート隕石は直径約12マイル(19キロメートル)で、2011 UL21の10倍以上の大きさでした。

一方、恐竜絶滅の原因となった小惑星は直径約6マイル(10キロメートル)で、2011 UL21の5倍ほどの大きさでした。つまり、2011 UL21は、過去最大級の小惑星衝突事例と比べても、かなり大きな部類に入るのです。

そのため、2011 UL21のような「プラネットキラー」小惑星の動向を注視し、万が一の衝突に備えることが重要です。

NASAをはじめとする宇宙機関は、小惑星探査や衝突回避技術の研究に力を入れています。

小惑星探査の最新動向

小惑星探査は、近年大きな進展を遂げています。

2010年には、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」からサンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。

この探査により、小惑星の形成過程に関する新しい知見が得られ、今後の小惑星探査の重要な指標となりました。

また、2020年には小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」からサンプルを地球に持ち帰りました。

さらに、「はやぶさ2」は2031年に小惑星「1998 KY26」に接近する予定で、小惑星の物理特性の解明や、小惑星偏向技術の実証など、「地球防衛」への貢献も期待されています。

このように、小惑星探査は、小惑星の起源や地球への影響を解明するだけでなく、将来の「地球防衛」にも役立つ重要な取り組みなのです。

まとめ

今週、直径1.1~2.4マイル(1.7~3.9キロメートル)もある巨大な「地球破壊者」小惑星2011 UL21が地球に接近します。

この小惑星は、過去100年以上で最も地球に接近する大きな小惑星の1つです。

2011 UL21は、地球から約410万マイル(660万キロメートル)の距離まで接近しますが、地球に衝突する可能性は非常に低いとされています。

しかし、仮に地球に衝突すれば、大陸規模の被害を引き起こす可能性があるため、「地球破壊者」と呼ばれています。

この貴重な接近観測の機会を、ぜひ生中継で楽しんでみてください。

また、小惑星探査の最新動向にも注目しましょう。小惑星の正体や地球への影響を解明し、将来の「地球防衛」につなげていくことが重要です。

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