エヌビディア(NVIDIA)がついに世界最大の企業に

2024年6月18日、半導体大手のNVIDIAが時価総額で世界最大の企業となりました。

これは、同社の株価が2022年末から9倍以上も急上昇したことによるものです。

NVIDIAは、ジェネレーティブAIの爆発的な需要の恩恵を最も受けた企業の1つと言えるでしょう。

*1 ジェネレーティブAI:テキスト、画像、音声などのデータを生成・創造するAI技術

https://www.cnbc.com/2024/06/18/nvidia-passes-microsoft-in-market-cap-is-most-valuable-public-company.html

NVIDIAは1991年に設立された企業で、これまでは主にゲーミング向けのグラフィックスチップを販売する企業として知られていました。

しかし、近年はデータセンター向けのAIチップの販売が急増し、同社の主要な収益源となっています。

NVIDIAの台頭

直近の第1四半期決算では、NVIDIAのデータセンター事業の売上高が前年同期比427%も増加し、同社の総売上の86%を占めるまでに成長しました。

これは、OpenAI、Microsoft、Alphabet、Amazon、Metaなどの大手テック企業が、急速に拡大するAIモデルの構築やワークロードの実行に必要なNVIDIAのGPU*2を大量に購入しているためです。

*2 GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット。画像処理に特化した半導体チップ。

時価総額世界一の座を獲得

この急激な成長により、NVIDIAの時価総額は2024年6月18日時点で3兆3400億ドル(約527兆円)に達し、これまで世界最大だったマイクロソフトを抜いて首位に立ちました。

NVIDIAの株価は2022年末から9倍以上も上昇しており、同社のCEOであるジェンセン・ファンの個人資産も約117億ドル(約1.8兆円)に達し、世界で11番目に裕福な人物となっています。

マイクロソフトとの比較

一方、マイクロソフトの株価も今年20%上昇しており、同社もOpenAIへの出資やAI搭載製品の投入などでAIブームの恩恵を受けています。

しかし、NVIDIAの成長ペースがより速く、ついに時価総額でマイクロソフトを抜くに至りました。

株式分割で上場市場への参入も

NVIDIAは6月に10株を1株に株式分割を実施しており、これによりダウ平均に組み入れられる可能性が高まっています。

株式分割により、より多くの投資家がNVIDIAの株式を手に入れられるようになるでしょう。

補足情報

NVIDIAの急成長の背景には、ジェネラティブAIの台頭があります。

ジェネラティブAIは、テキスト、画像、音声などのデータを生成・創造する技術で、近年急速に進化しています。

OpenAI、Microsoft、Googleなどの大手テック企業が、ジェネラティブAIの活用に熱心に取り組んでおり、その需要の高まりがNVIDIAの業績を後押ししています。

また、NVIDIAはゲーミング向けのGPUでも知られていますが、クリプトマイニング*3向けのチップの販売も手がけるなど、事業領域を広げています。

*3 クリプトマイニング:仮想通貨の取引記録を検証・承認する計算処理を行うこと

まとめ

NVIDIAは、ジェネラティブAIの台頭を最大限に活かし、急激な成長を遂げて世界最大の企業の座を獲得しました。

同社の今後の動向に注目が集まるでしょう。

NVIDIAの躍進は、AIテクノロジーの進化が企業価値に大きな影響を及ぼすことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

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