20年ぶりの強い磁気嵐により、世界各地でオーロラが観測される。北海道でも!

この数日、地球は20年ぶりの強い地磁気嵐に見舞われ、世界中の夜空がオーロラに染まる壮観な光景が広がりました。

この地磁気嵐は、太陽活動の活発化によって引き起こされたものです。

太陽活動の活発化と地磁気嵐

太陽は、時期によって活動が活発になったり静かになったりする11年周期の変動を繰り返しています。この太陽活動の活発期には、太陽フレアや太陽コロナ質量放出と呼ばれる現象が頻発し、地球に向けて高エネルギーの粒子が放出されます。

これらの粒子が地球の磁場に到達すると、地磁気嵐が発生します。

地磁気嵐は、地球の磁場を乱し、オーロラの発生や通信障害、人工衛星への影響など、さまざまな影響をもたらします。

20年ぶりの強い地磁気嵐

今回の地磁気嵐は、2003年以来の強さだと専門家が指摘しています。

アメリカ海洋大気局(NOAA)によると、この地磁気嵐は5段階中の4段階の強さだったそうです。つまり、20年ぶりの非常に強い地磁気嵐だったということですね。

この強い地磁気嵐により、世界各地でオーロラが観測されました。アラスカやカナダ、ノルウェー、ドイツ、スイス、フランスなど、通常オーロラが見られない地域でも、鮮やかな光景が広がったのです。

世界各地でオーロラを観測

北海道でも観測されたそうです。

<オーストラリア・タスマニアのオーロラ>

タスマニア北西部では、ピンクと緑のオーロラ・オーストラリスが湖と道路を照らしました。ビクトリア州ホースハムでは、色とりどりの光線に包まれたオーロラが見られました。また、ウォークアウェイ上空のオーロラが空を真っ赤に染めていたそうです。

さらに、イングランド北東部のホワイトリーベイにあるセントメアリー灯台では、オーロラが地平線に輝いていたと報告されています。

ドイツ東ブランデンブルクやスイス、フランスなどでも、オーロラが観測されたそうです。

スイスで観測されたオーロラ

地磁気嵐の影響

この強い地磁気嵐は、通信障害や人工衛星への影響など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。実際、2003年の同様の地磁気嵐では、カナダで約9時間にわたる大規模停電が発生し、600万人以上に影響が出たことがあります。

また、1994年には世界各国の人工衛星が故障するなどの被害も報告されています。今回の地磁気嵐でも、同様の影響が懸念されています。

今後の対策

このような強い地磁気嵐に備えるため、専門家たちは宇宙天気予報の精度向上や、通信インフラの強化、人工衛星の保護対策などを提案しています。

また、一般の人々にも、オーロラ観測時の適切な眼の保護や、通信障害への備えなどが呼びかけられています。

宇宙天気予報とは?

宇宙天気予報とは、太陽活動や地球周辺の宇宙環境の変動を予測し、その影響を事前に知らせるサービスです。

https://swc.nict.go.jp

宇宙天気予報の内容

  • 太陽フレアの発生予測
  • 高エネルギープロトン(陽子)粒子の飛来予測
  • 地磁気活動度の予測
  • 放射線帯電子フラックスの予測
  • 電離圏擾乱の予測 など

宇宙天気予報は、観測データと数値予報モデルを総合的に解析して作成されますが、まだ発展途上の分野であり、実際の状況と差異が生じる場合があります。

まとめ

20年ぶりの強い地磁気嵐により、世界各地でオーロラが観測されるという壮観な光景が広がりました。しかし、この地磁気嵐は通信障害や人工衛星への影響など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

専門家たちは、宇宙天気予報の精度向上や、インフラ強化などの対策を提案しています。一般の人々にも、オーロラ観測時の眼の保護や、通信障害への備えが呼びかけられています。

この地磁気嵐は、私たちに自然の驚くべき力を示すと同時に、その影響への備えの必要性も教えてくれました。今後も、太陽活動の変動に注目し、適切な対策を講じていくことが重要だと思います。

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