ロンドンマラソンでケニアのペレス・ジェプチリチルが女子単独レース世界記録を更新!シューズはadidas

ロンドンマラソンの女子レースで、ケニアのペレス・ジェプチリチル(Peres Jepchirchir)が世界新記録を樹立しました。

2時間16分16秒という驚異的なタイムで優勝し、2017年に同大会で記録されていたメアリー・ケイタニーの2時間17分1秒を大幅に更新しました。

女子単独レース世界記録とは

マラソンには、男女混合のレースと女子専用のレースの2つの世界記録が存在します。

女子専用の世界記録は、男性ランナーを伴わずに女性ランナーのみで行われるレースにおける最速記録を指します。これは、男女混合のレースでは男性ランナーの存在によって女性ランナーのタイムが速くなる可能性があるため、別途女子専用の記録が設けられているのです。

ペレス・ジェプチリチルの快挙

30歳のジェプチリチルは、最後の300メートルで抜け出し、見事に優勝を決めました。

「レースが速いペースになると思っていましたが、自分が記録を更新するとは思っていませんでした」と話すジェプチリチル。

しかし、「自分を信じていたからです」と、自身の実力を信じていたことを明かしました。ジェプチリチルにとって、このロンドンマラソンは2024年パリ五輪前の最後の代表レースでした。

「ゴール地点を通過した時は、パリ五輪で自分のタイトルを守れる可能性が高いと感じていました」と、自信に満ちた表情を見せていました。

ジェプチルチルの世界記録を打ち立てたシューズはナイキではなくアディダス

2022年9月5日の、ジェプチルチルがプラハでハーフマラソンの女子新記録を樹立しました。驚くべきことに、彼女が履いていたのはナイキの製品ではなく、アディダスの新作「Adizero Adios Pro(アディゼロ アディオス プロ)」でした。公式レースで初めて使用されたシューズでした。

従来の長距離記録の多くはナイキの炭素繊維プレート入りシューズで樹立されていましたが、アディダスはAdios Proで全く異なるアプローチを採用しています。この靴には炭素繊維プレートの代わりに、独自の「エネルギーロッド」が搭載されています。

これは湾曲した形状の炭素入りロッドで、足の中足骨に合わせて配置され、フォームとの相乗効果で高い反発力を生み出します。アディダスはロッドの素材や硬さ、配置を変えた数百種類のプロトタイプを検証し、最適なバージョンを見つけ出したそうです。

アディダスはこのエネルギーロッドについて「炭素繊維プレートよりもランナーの自然な動きを実現できる」と主張しています。

アディゼロ アディオス プロラインは進化を続け、2023年にはアディゼロ アディオス プロ3モデルが発売されました。アディダスは「ペレス・ジェプチルチルによる世界記録樹立で始まったこの旅は、新しいバージョンでも続いている」と言っています。

今回のジェプチルチルの世界記録を受けて、adidas公式Xの反応

今回、世界記録で優勝したロンドンマラソンでは「アディゼロ・アディオス・プロ Evo 1」を履いていたようです。

ペレス・ジェプチルチルが世界新記録を樹立。///

オリンピック・チャンピオンのペレスがロンドンの街を駆け抜け、2時間16分16秒の女子マラソン新記録を樹立した。ニューヨーク、ボストンに続く3つ目のタイトルを獲得した。

そして、3人のストライプのクルーが表彰台に上った: ティギスト・アセファ・ジョイシーリン・ジェプコスゲイ

アディゼロ・アディオス・プロ Evo 1

ペレス・ジェプチリチルはどんな選手?

ケニアの長距離走の至宝、ペレス・ジェプチリチル

ペレス・ジェプチリチルは、現代の女子マラソンを代表する選手の1人です。1993年9月27日生まれのケニア出身で、マラソンとハーフマラソンの種目を専門としています。

2020年10月、ジェプチルチルは世界ハーフマラソン選手権大会で1時間5分16秒のタイムを記録し、女子のみのハーフマラソンの新世界記録を樹立しました。この大会では史上前人未到の6人の選手が66分を切り、9人の選手が67分を切るグループ記録となりました。

さらに2022年9月、ジェプチルチルはプラハ21.1kmレースで1時間5分34秒のタイムを記録し、女子のみのハーフマラソンの新世界記録を樹立しました。

ジェプチルチルは終盤の強いキックが持ち味で、世界最高峰の女子マラソンランナーの一人と評価されています。

2021年の東京五輪では見事に金メダルを獲得し、その実力の高さを証明しました。そしてこのロンドンマラソンでは、女子専用の世界記録を2時間16分16秒という驚異的なタイムで更新しています。

ジェプチリチルは、2022年にはプラハ21.1kmハーフマラソンの女子専用世界記録も1時間5分34秒で塗り替えるなど、まさに世界最高峰の実力を持つ選手と言えるでしょう。

ただ、2023年の世界選手権では臀部のけがのため欠場を余儀なくされるなど、怪我に悩まされることもあります。

ジェプチルチルは出産後、トップレベルの競技に復帰し世界記録を破ることにモチベーションを感じていると語っています。2024年のパリオリンピックでも主要なメダル候補です。ロンドンマラソンでの快挙は、その期待に応えられる可能性を示めしています。

女子レースの結果

ジェプチリチルに次いで2位に入ったのは、エチオピアのティグスト・アセファ。2時間16分23秒という好タイムで、2021年ロンドンマラソン優勝のケニアのジョイシリン・ジェプコスゲイが3位に入りました。

男子レースの結果

一方の男子レースでは、ケニアのアレクサンダー・ムティソ・ムニャオが2時間4分1秒で優勝。エチオピアのケネニサ・ベケレを14秒差で下しました。ベケレは41歳ながら自身の世界マスターズ記録を4秒更新する活躍を見せました。

ケルビン・キプタムの功績を称える

今大会は、昨年のロンドンマラソン王者で世界記録保持者だったケルビン・キプタムの訃報を受けて、大会前に彼の功績を称える映像が流されるなど、特別な思いが込められていました。ムニャオは「キプタムは私の大切な友人でした。彼のことを常に心に留めています」と語り、大会の意義を感じていたようです。

まとめ

ペレス・ジェプチリチルの快挙は、女子マラソンの新たな頂点を示すものでした。自身の実力を信じ抜いた彼女の勝利は、2024年パリ五輪での金メダル獲得への期待を高めています。

一方の男子レースでは、ケニアとエチオピアの実力者たちが激しい競争を繰り広げ、ベテランのベケレも健在ぶりを発揮しました。ロンドンマラソンは、世界トップレベルのランナーたちが集う舞台として、改めてその地位を確認した大会となりました。

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