水原元通訳の不正送金の詳細が明らかに。当局は大谷選手を被害者とみなしている

このたび、メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏による不正送金事件の詳細が明らかになりました。

連邦当局は大谷選手を事件の被害者と位置づけており、水原氏のみが厳しい処罰の対象となる見通しです。

[水原一平氏に対する刑事告訴と逮捕状のための宣誓供述書]
https://www.documentcloud.org/documents/24542204-usa-v-mizuhara-complaint

大谷選手の銀行口座から不正送金

連邦検察によると、水原氏は2021年11月から2024年1月にかけて、大谷選手の銀行口座から無断で計1600万ドル(約24億円)以上を不正に引き出していたことが判明しました。水原氏は、この資金を違法なブックメーカー(賭博業者)への支払いに充てていました。

大谷選手は全く関与していないことが判明

一方で、連邦検察は大谷選手自身は事件に一切関与しておらず、被害者だと断言しています。

マーティン・エストラーダ米検事は「大谷選手は本件の被害者であると強調したい」と述べた。エストラーダによると、大谷が Mizuhara の賭博行為や自身の銀行口座の不正使用について知っていた証拠はなく、捜査では2人の間で賭博について話し合った記録は見つからなかった。

「Mizuhara氏は、その信頼関係を利用し、悪用して大谷選手の銀行口座から1600万ドル以上を略奪した」とエストラーダは語った。

https://www.espn.com/mlb/story/_/id/39920849/ohtani-interpreter-ippei-mizuhara-stole-16m

大谷選手は捜査に全面的に協力し、自身のデジタル機器や個人情報を提供するなど、真摯な姿勢を示しています。

捜査当局は大谷選手は詐欺の被害者と見なしており、違法ブックメーカーとの賭博に関与した証拠はないと述べました。

[マーティン・エストラーダ米検事の記者会見]

不正送金の手口

裁判所の書類によると、水原氏は2018年に大谷選手と共に銀行口座を開設し、大谷選手のメジャーリーグの給与が振り込まれていた口座への不正アクセスを行っていた。大谷選手は自身の金融口座の管理権を水原氏に与えていなかったということです。

そして2021年以降、自身のスマートフォン番号や匿名のメールアドレスに口座情報を変更し、大谷選手になりすまし、銀行の担当者に不正送金を指示していたことが明らかになりました。

また、水原氏は同口座から約32万5000ドル(約5000万円)分の野球カードを購入し、「ジェイ・ミン」の偽名で自身やドジャースのクラブハウスに送付していたことも判明しています。転売目的だったと見られています。

賭博の実態

裁判所の書類によると、水原氏は2021年末から2024年1月までの間に、約1万9000件、1日平均約25件もの賭博に及んでいたことが確認されています。1件あたりの賭け金は10ドルから16万ドルと幅広く、平均すると1件12,800ドル(約170万円)にもなっていたそうです。

その結果、水原氏は総額1億4200万ドル(約192億円)の賭け金を獲得したものの、1億8300万ドル(約247億円)を失っていて、結局4000万ドル(約54億円)の損失を抱えていたことが明らかになりました。

ただし、連邦当局の調査では、水原氏が大谷選手本人の名義で行った野球賭博の記録は確認されなかったということです。

大谷の代理人ネズ・バレロ氏は水原氏を通してしかコミュニケーションが取れていなかった

大谷選手の代理人ネズ・バレロ氏が水原一平氏を通してしかコミュニケーションを取れていなかったことが明らかになりました。

捜査記録によると、バレロ氏は数年にわたり、自身で雇った通訳者を使うのではなく、常に水原氏を通してのみ大谷選手と連絡を取り合っていたといいます。

たとえば、大谷選手の税務申告や投資管理などの問題について、バレロ氏は水原氏から情報を得るしかなく、選手本人に直接確認することがなかったそうです。水原氏は、大谷選手がその銀行口座を「プライベートにしたい」と嘘をついていたため、バレロ氏はその口座に関する情報を得られませんでした。

一人の通訳者に選手との窓口を握られ続けたバレロ氏の対応には問題があったと言わざるを得ない。事件の発覚後、バレロ氏はついに水原氏以外の通訳者を起用するようになったが、それまでの長年にわたる不作為が水原氏の不正行為を許容してしまった一因となっているようだ。

https://www.aol.com/shohei-ohtani-scandal-5-most-222700324.html

水原氏の逮捕と今後の対応

水原氏の行為に対する刑事責任と民事責任

刑事責任

水原氏の行為には、不法賭博罪、窃盗罪、詐欺罪などが問われる可能性があります。カリフォルニア州では賭博が違法であり、水原氏が無断で大谷選手の銀行口座から資金を引き出したことに対して、これらの罪に問われる可能性があります。

報道では、銀行詐欺の罪で起訴され、最高100万ドルの罰金刑と30年以下の禁錮刑に処される可能性があると報じられています。水原氏は近日中にロサンゼルスの連邦裁判所に出頭する予定で、罪を認める司法取引を検討しているとのことです。

民事責任

一方、民事責任としては、大谷選手に対する不法行為と契約違反が考えられます。水原氏の行為は大谷選手に損害を与えたものと見なされ、不法行為に基づく損害賠償請求の対象となります。また、大谷選手との雇用契約に違反した可能性もあり、契約違反に基づく損害賠償請求の対象にもなるでしょう。

大谷選手の被害者としての権利

大谷選手は被害者として、刑事手続きへの参加権や、不法行為や契約違反に基づく損害賠償請求、さらには犯罪被害者支援制度による経済的支援などを受けられる可能性があります。

一方、メジャーリーグは水原氏の刑事手続きの結果を待って、大谷選手への処分の可否を判断する方針です。大谷選手自身は3月の会見で、賭博には一切関与していないと明言しており、当局の捜査でも無実が確認されています。

大谷選手への影響

事件が明るみになった当初から米国内の野球ファンの間では大谷選手への懐疑的な見方が広がっていたといいます。有名なインフルエンサーが大谷選手自身への疑念を語っていたりもしていました。しかし、今回の調査で大谷選手への疑念は完全に晴れました。検証の結果、大谷選手は不正送金事件に一切関与していないことが明らかになりました。

水原氏が違法賭博に関与し、大谷選手の口座から送金していたことが判明したが、大谷選手は全く知らされていなかったことが確認されました。大谷選手の代理人であるバレロ氏も、大谷選手が事件に関与していないことを強く主張しています。

また、長年大谷選手を取材してきた記者も、大谷選手の賭博関与は「120%ない」と断言しています。つまり、一部で噂された大谷選手への疑念は完全に払拭されたと言えるでしょう。

<大谷選手に対する憶測を語っていたひろゆき氏が謝罪>

ESPNの記者も大谷選手の無関与を支持

アメリカの人気司会者リッチ・アイゼンのラジオ番組「リッチ・アイゼンショー」に登場したESPNのアルデン・ゴンザレスは、水原氏めぐる調査について熱心に語った。37ページに及ぶ告発状の詳細を分析しながら、驚くべき新事実を明らかにしました。

ゴンザレス氏は、大谷選手と水原氏のメッセージのやり取りを丹念に分析し、大谷選手の無関与を支持する証拠を提示しました。一方で、水原氏がこのような違法行為を長年にわたって隠し通していた事実にも驚きを隠せない様子だった。

“告発状はとてもきちんと書かれていて、特に3年間のメッセージのやり取りの中にショウヘイのギャンブルや賭け事に関する記述がまったくないことが印象的でした。”

この事件の背景には、言語や文化の違いから生まれた通訳と選手の特殊な関係性があったと考えられます。大谷選手が水原氏を完全に信頼していたことで、不正が長期にわたって隠蔽されていた可能性があります。通訳の役割と責任の問題は、今後スポーツ界全体で見直す必要があるでしょう。

“この事件を見て最も疑問に思うのは、ショウヘイの代理店やファイナンシャルアドバイザーが、数千万ドルもの資金が入っている口座をイッペイが独占的に管理していたことを6年もの間放置していたということです。”

MLBが新しいガイドラインの策定を検討か

また、司会のアイゼン氏は動画の中で、大谷選手のような外国出身の選手は自身の財務管理に十分注意を払う必要があると指摘しました。選手自身が口座をこまめにチェックし、スタッフの動きを監視することが重要だと述べています。
また、選手側が積極的に情報を開示し、透明性を高めること、選手と代理人との関係性を見直し、適切な権限設定を行うことも課題として挙げています。

この事件を受けて、MLBは選手の口座管理体制の見直しに乗り出しているそうです。選手の財務管理を徹底的にチェックし、不正を防ぐための新しいガイドラインの策定を検討していると述べています。

ロバーツ監督の前向きな反応とチームへの影響

今回の事件で、大谷選手の所属するLAドジャースのチーム運営に影響があったのは確かでしょう。しかし、ロバーツ監督は、事件が発覚してすぐに、水原氏の解雇により大谷がチームメイトとの絆を深められると述べていました。

実際、これが内部関係を強化することになると私は考えている。もう緩衝材がいないので、ここ数日、大谷がチームメイトにもっと積極的に関わっているのを感じている。それにはプラスの面しかないと思う。

つまり、水原通訳の離脱により、大谷がチームメイトと直接コミュニケーションを取れるようになり、チームとの絆が深まると期待されているということです。ロバーツ監督は、この変化を前向きに捉えており、大谷とチームにとってプラスの影響があると考えているようです。

まとめ

この事件を通して、大谷選手が不当な被害に遭っていたことが明らかになりました。当局は大谷選手を被害者と位置づけており、水原氏には重大な刑事責任が問われることになりそうです。

大谷選手が早く野球に専念できるときが来ることを願うばかりです。

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