1500mの深海から引き上げられた明朝時代の沈没船の宝物

🙂皆さん、こんにちは。今回は、南シナ海の海底から発見された明朝時代の沈没船に関する驚くべき発見についてお話しします。

明朝時代の海上交易と海禁政策

明朝時代(1368年~1644年)、中国南部の政府直営工場で焼かれた磁器は、当時の国際貿易の中心的な役割を果たしていました。

一方で、明の洪武帝は海外渡航の禁止を含む厳しい「海禁」政策を実施し、民間人の海上交易を禁止していました。

しかし、その後の清朝では海禁がゆるめられ、海外との交易が盛んになっていきました。

1500mの深海から引き上げられた宝物

さて、そんな明朝時代の歴史を物語る重要な発見があったのです。

中国の国家文化遺産局(NCHA)は、南シナ海の海底で2隻の明朝時代の沈没船を発見し、合計890点もの文化遺産を回収したと発表しました。

発見された遺物には、磁器、陶器、銅貨、鹿の角などが含まれており、明朝時代の海上交易の一端を垣間見ることができます。

2隻の沈没船は、南シナ海の大陸斜面の水深約5,000フィート(約1,500メートル)の海底に沈んでいたそうです。

第1の沈没船: 主に磁器を輸出していた船

第1の沈没船からは、なんと890点もの遺物が発見されました。

遺物には、磁器、陶器、銅貨などが含まれており、明朝の正徳(1506年~1521年)期のものと推定されています。

当時の中国南部の政府直営工場で焼かれた磁器が、遠くは欧州の商人に出荷されていたことがうかがえます。

第2の沈没船: 木材を輸入していた船

一方、第2の沈没船からは38点の遺物が発見されました。

遺物には、陶器、磁器、巻貝、木材などが含まれており、一部は明朝の弘治(1488年~1505年)期のものと考えられています。

この船は、木材を輸入していたと推測されます。

明朝時代の海上交易の歴史を物語る発見

これらの発見は、明朝時代の海上交易の歴史を解明する上で非常に重要な意味を持ちます。

当時の南シナ海は「海上シルクロード」として重要な貿易ルートでしたが、明の海禁政策によって民間人の海上交易が禁止されていました。

しかし、今回の発見から、明朝時代でも海上交易が活発に行われていたことが明らかになりました。

遺物の保存状態が良好であることから、今後の研究によって、当時の海上交易の実態がさらに解明されることが期待されています。

世界各地で発見された沈没船と財宝

世界各地では、これまでにも多くの沈没船が発見され、膨大な財宝が回収されてきました。

有名な例としては、コロンビアの「サンホセ号」(推定3兆1400億円分の金、銀、エメラルド)やアトーチャ号などがあります。

このように、海底に眠る沈没船からは、時代を超えて貴重な歴史的遺産が発見されることがあります。

今回の明朝時代の沈没船発見も、まさにそのような重要な発見と言えるでしょう。

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