TikTokの技術は何故特別なのか?&TikTokの米国での最新の動き

TikTokはなぜこれほどまでに人気のアプリになったのでしょうか?それには特別な技術が隠されていると言うのです。

今回はFastCompanyの記事「TikTokの技術が特別な理由」を元にその理由をわかりやすく解説します。また、TikTokの米国での事業をめぐる最新の動きについても解説します。

https://www.fastcompany.com/91114302/why-tiktoks-technology-is-special

TikTokとは?

TikTokは短時間の動画を次々と表示するSNSアプリです。

TikTokの特徴は、ユーザーの嗜好に合わせて動画を自動で選び出して表示してくれる「おすすめアルゴリズム」にあります。このアルゴリズムの性能が非常に高く、ユーザーが飽きずにアプリを利用し続けられるようになっています。

TikTokのアルゴリズムが高性能な理由は大きく分けて3つ

膨大な量のデータで学習

1つ目は、膨大な量のデータを使って学習していること。TikTokには10億人以上のユーザーがいて、1日あたり数十億本もの動画がアップロードされます。この膨大なデータからユーザーの嗜好を分析することができるため、的確な動画をおすすめできるのです。

短い動画

2つ目は、短時間の動画形式がデータ収集・分析を速くしていること。1本の動画が15秒程度と短いので、より速くユーザーの反応を見ることができます。

関心の変化

3つ目は、ユーザーの「関心の変化」まで追跡できるようになっていること。時間帯や曜日、季節によってユーザーの関心は変わりますが、TikTokのアルゴリズムはそうした細かな変化まで追跡し、タイムリーなおすすめができるのです。

このように、膨大なデータ、短時間動画、関心の変化の追跡という3つの要素が融合することで、TikTokのアルゴリズムは高精度かつタイムリーな動画おすすめを実現しています。これが、TikTokが世界中で人気を博し、独自の文化を築いている理由であると言えます。

TikTokの技術力の高さから、アメリカをはじめ各国で国家安全保障上のリスクではないかという指摘も出ています。一方で、TikTok自体は自社技術の提供に前向きで、透明性のある運用を心がけているとしています。

他のライバル企業のSNSとの違い

Facebookの特徴は、実名制で友人や知り合いとつながる「社会的グラフ」がベースになっていることです。InstagramもFacebook傘下で、写真や動画を共有するSNSとして位置づけられます。

また、Youtubeの場合、最大の特徴は、動画コンテンツが中心であることです。YouTubeにはプロの映像クリエイターから一般ユーザーまで、多様な動画がアップロードされ共有されています。

これに対してTikTokの最大の特徴は、個人レベルでの短い動画とAIを活用したおすすめアルゴリズムにあると言えます。個々の動画は15秒程度と短く、スマホでの垂直視聴に最適化されています。そして膨大なデータを基にしたアルゴリズムが、個々のユーザーに合わせたコンテンツを提供しています。

この個人レベルでの最適化されたおすすめ機能が、ユーザーの高いエンゲージメントを生み出していると考えられます。TikTokは他SNSとは一線を画す、独自の文化を築いている要因といえるでしょう。

TikTokの米国事業をめぐる動き

TikTokは、中国のテクノロジー企業ByteDanceが運営する人気のショートビデオアプリです。2020年以降、TikTokの米国での事業をめぐって、米国政府と中国政府の間で激しい攻防が繰り広げられてきました。

TikTokの米国内禁止法案が可決

先日、米連邦上院はTikTokの配信を米国内で禁止できる法案を可決しました。

https://jp.reuters.com/world/security/APFL5MREEJIQZM26W7LXP66KDQ-2024-04-24

この法案では、バイトダンスにアメリカでの事業を9カ月以内に売却するよう義務付けています。売却が完了しない場合、TikTokの配信が米国内で禁止される可能性があります。

米政府はTikTokのデータが中国政府の手に渡ることを懸念しており、TikTokをバイトダンスから切り離そうとしています。

TikTokの対応

一方、TikTokは法的権利を行使して自社を守ると主張しており、法廷闘争が長引く可能性があります。

今後の展開として、バイトダンスが9カ月以内にTikTokの米国事業を売却できない場合、TikTokの配信が禁止される可能性があります。また、法廷闘争が2年ほど続くとの指摘もあります。

TikTokの何が問題なのか?

TikTokをめぐる問題点は主に以下の2点が指摘されています。

ユーザーデータの流出

TikTokは中国企業ByteDanceが運営しているため、ユーザーの個人情報が中国政府に流出する可能性があると懸念されています。

特に、位置情報やコンタクト情報などの機密性の高いデータが流出するリスクが指摘されています。

検閲と情報操作

ByteDanceはTikTokのアルゴリズムを通じて、ユーザーに特定の情報を選別的に表示することができます。

つまり、中国政府の意向に沿った情報操作が可能性となります。

TikTokの今後の展開

TikTokの米国事業をめぐる攻防は、今後どのように展開していくのでしょうか。

ByteDanceによる法的対抗

ByteDanceは、TikTokの米国事業売却に反対しており、法的措置を検討しています。

法廷闘争を通じて、TikTokの米国での事業継続を目指す可能性があります。

法的対抗が失敗した場合、ByteDanceはTikTokの米国事業を売却せざるを得なくなる可能性があります。

TikTokの米国からの撤退

法的対抗も事業売却も失敗した場合、ByteDanceはTikTokの米国からの完全撤退を余儀なくされ、米国政府の禁止令に従い、TikTokのサービスを米国内で停止せざるを得なくなる可能性があります。

以上、TikTokをめぐる最新の動きついて解説しました。 TikTokやAIをめぐる問題は、今後も注目を集め続けると思われます。引き続き、最新の動向を注視していきたいと思います。

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